7月23日、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、パム・ボンディ司法長官がトランプ大統領に対し、性的人身売買で起訴され勾留中に自殺した米富豪ジェフリー・エプスタイン元被告の関連文書に、トランプ氏の名前が複数回登場していたと5月に伝えていたと報じました。また、司法省幹部らは文書に児童ポルノや被害者の個人情報が含まれているため、エプスタイン元被告の捜査に関連する文書をこれ以上公開する予定はないとトランプ氏に伝え、トランプ氏は司法省の判断を尊重するとしていました。
- エプスタイン文書(Google検索)
- エプスタイン文書にトランプ氏の名前、5月に司法省が本人に伝える(7/24 WSJ)
- I Covered the Epstein Case for Decades. These Are the 9 Questions We Actually Need Answered.(7/23 The New York Times)

先週、トランプ氏は記者の質問に対し、エプスタイン文書に自身の名前が記載されているとボンディ氏から聞かされたことはないと述べていました。7月23日のWSJ報道について、ホワイトハウス広報部長のスティーブン・チャン氏は、「これは前回の WSJの記事(7月17日)と同様にフェイクニュースだ」としています。
7月17日、WSJはエプスタイン元被告が最初に起訴される前の2003年に、同被告向けの誕生日アルバムが作成されたと報道。その中にはトランプ氏の名前が記された手紙も含まれたとする記事を掲載しています。
7月18日、トランプ氏は WSJの記者や発行元のダウ・ジョーンズ、そして親会社のニューズ・コープの幹部らを提訴し、手紙は「存在しない」として名誉毀損を主張しています。ダウ・ジョーンズの広報担当者は「当社の報道の厳密性と正確性に全幅の信頼を置いており、訴訟に対しては断固として争う」としています。
- 実業家 ジェフリー・エプスタイン(ゲッティ・イメージズ)
バリー・レヴィン(Barry Levine)氏は、「ザ・スパイダー:ジェフリー・エプスタインとギレーヌ・マクスウェルの犯罪組織の内幕」の著者であり、2000年代半ばからエプスタイン氏に関する取材を始めています。トランプ大統領と政権関係者は、ジェフリー・エプスタインのFBIファイル公開の可能性を示唆していましたが、実際には何も得られませんでした。エプスタイン事件に関して未解決の疑問が9つあるとしています。(7/23 Opinion/The New York Times)
1: エプスタイン氏はどうやって金を儲け、20年以上にわたる性的人身売買の資金をどうやって調達したのか?
2: エプスタイン氏は諜報機関と何らかのつながりがあったのか?
3: ファイルの中にトランプ氏とエプスタイン氏の関係について、知識を補うような記述はあるのか?
4: ビル・クリントン氏についてはどうか?
5: エプスタイン氏の性的人身売買に関与したとされる顧客は誰なのか?
6:海外でエプスタイン氏を助けたのは誰なのか?
7: 捜査官はエプスタイン氏の金庫、コンピュータ、その他の財産の中で何を発見したのか?
8: ビデオには何が映っていたのか?
9:エプスタイン氏の検死報告書には何と書いてあるのか?
この9つの問題に対する答えを求めることは、エプスタイン氏の被害者のためだけでなく、政府への信頼を回復する必要のある国のためにも、私たちにできる最低限のことだとしています。
