年間1,000万人の観光客が訪れるバルセロナの街中に貼られたカラーコード(タグ)が広まっています。スマートフォンのカメラを大雑把に一振りするだけで、周囲の情報を音声で知らせてくれます。提供する情報は利用者とタグの位置関係によって変えることができます。複数の言語を組み込み、スマホ側の言語設定で自動的に選択することも可能で、世界都市のバルセロナにとって極めて重要な機能です。
- スマホが視覚障害者の目に、バルセロナに広まる新しい点字(MIT Technology Review)
このシステムは、アリカンテ大学モバイル・ビジョン学術研究所(Mobile Vision Research Lab)が、スペインのスタートアップ企業ナビレンズ(NaviLens)と共同で開発しました。
評判がよくないQRコードを、ナビレンズはゼロから作り直して実用的なシステムを完成させました。ピントを合わせる必要がなく、幅12cmのナビレンズのタグは、12m離れた距離から1/30秒で読み取れます。移動中でも最大160度の角度でタグを読み込め、アプリは1コマに200以上のタグを登録できます。
バルセロナ在住で視覚障害を持つファン・ヌニェスさんは「本当に魔法のようなシステムで、数メートル先からタグを読み込めます」と話しています。ナビゲーション・アプリは抜きんでた評価を得ているようです。このカラーコード(タグ)方式は、GPSやBluetoothなどを使用しないので多方面に適用できそうです。
システムは一部の地下鉄駅とバス路線で成功した後、159のすべての地下鉄駅と2,400のバス停、拡張現実(AR)用のインフラを形成する合計数万にもおよぶタグにまで拡張されています。ナビレンズは欧州のほかの都市にも早期にサービスを拡大したいと考えているそうです。
- UA participates in the development of an application that allows the blind to travel unaccompanied(Universidad de Alicante)