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コンゴの都市部でエボラ感染者、治験ワクチン接種(MSF)

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コンゴ民主共和国のムバンダカは、コンゴ川に面した人口100万人以上を擁する河川交易が盛んな都市。このムバンダカで感染者が確認され、状況はいっそう深刻となりました。今回のエボラ流行の発生地である赤道州ビコロからは120キロほど北に位置しています。コンゴ保健省によると5月28日現在のエボラ確定例は35人で、うち25人が死亡しています。現在、514人が感染者と接触した可能性があるとして保健当局から通知を受け、医学的監視下に置かれています。

感染者は大都市にも エボラ出血熱の封じ込めに緊急対応が続く【国境なき医師団】

流行が始まった赤道州では5月28日、国境なき医師団(MSF)はエボラの治験ワクチン接種を開始しました。現地で患者のケアにあたる医療従事者とスタッフ、および感染者に接触した人が対象となります。ムバンダカはこの接種の1週間前から医療スタッフに対する接種が始まっていました。

接種されるエボラワクチン「rVSVDG-ZEBOV」は、エボラ流行封じ込め戦略の一環として使用されます。ワクチンは治験段階にあり未認可であるため、コンゴ政府当局と首都キンシャサの倫理審査委員会ならびにMSFの倫理審査委員会が承認する研究プロトコルに従って投与されます。

2014年に起きたパンデミックでは、世界保健機関(WHO)の発表によると、感染疑い例も含め28,512名が感染し、11,313名が死亡(死亡率40%)しています。rVSV-ZEBOVの生産を請け負う製薬大手のメルク(Merck)は、コンゴに7,500回分のワクチンを寄付。一方、子どもへの予防接種の普及を進める「Gavi, the Vaccine Alliance」は、ワクチン接種プログラムの運営に100万ドル(約1億900万円)の支援を行なっています。

MSFの医療ディレクターを務めるミカエラ・セラフィーニ氏は、エボラ対策には基本となる6つの柱があり(1)感染者の治療と隔離(2)感染者の早期発見(3)感染者に接触した人の追跡と経過観察(4)予防と治療に関する地元住民への啓発(5)現地医療機関の支援(6)感染拡大防止のための安全な埋葬であり、エボラのまん延阻止にはこうした対策の継続が欠かせないと強調しています。

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