オーストリア系ユダヤ人の美術史家エルンスト・ゴンブリッチが25歳のときに、イルゼ(後の妻)という小さなお嬢さんに読み聞かせるために執筆した「物語としての世界史」ですが、素晴らしい本でした(^^)
若い読者(笑)ではありませんが、教科書の歴史的事実を記憶するのではなく、自分が歴史の物語に入り込む感覚になります。本編は第一次世界大戦までです。
語りかけるような文章と、挿絵もあって読者を飽きさせず、短編小説のようにも読めてしまいます(^^)
彼はウィーンで、富裕なユダヤ人一族の子として生まれ、1935年に「若い読者のための世界史」を執筆、その後ロンドンに移住します。
第二次大戦中はBBCのドイツ語放送を担当し、1945年ヒトラー死亡の第一報をチャーチルに伝えました。
この「若い読者のための世界史」が好評を博したことから、1950年に「美術の歩み (The Story of Art)」を出版します。
同書は、20代の若い読者を想定した「物語としての美術」になっているようです。20以上の言語に翻訳され、何百万部も売れているそうです(^^) 読んでみたいですね!
「若い読者のための世界史・下巻」の「50年後のあとがき」に、第一次世界大戦後の歴史について重要な記述があります。英語版の出版を決断できなかった理由や「よりよい未来」について述べられています。
ーー 楽しく歴史を追いかけていただきたい、試験などけっしてしないと約束します。(レオニー・ゴンブリッチ)
- The Gombrich Archive(Website)