内戦が続くシリアで、反体制派の支配地域として政府軍の猛攻にさらされている首都ダマスカス近郊の東グータ地区。同地区に住む15歳の少年が、現地の惨状を自らの声で報告する動画をソーシャルメディアに公開しています。シリアで現在起きていることを記録し、世界に伝えるのが目的です。
東グータ地区に住むムハンマド・ナジェム(muhammad najem)君は、爆撃を受けた街の動画を自撮りの映像も交えながら Twitterと YouTubeに公開しています。「アサド政権と(それを支援する)ロシアによる爆撃のために、グータの子どもたちは毎日死んでいる」と語っています。別の動画では、遠くで爆発音が響くなか建物の屋上に立ったナジェム君が「あなたたちの沈黙によって私たちは殺される」と訴えています。
ナジェム君はCNNの取材に対し「人々はシリアで起きていることすべてを知るべきだ」と強調。「勉強を続けたい。大きくなったら記者になりたい」と語ったそうです。
- muhammad najem(Twitter)
- muhammad najem(YouTube Channel)
2月24日(土)に、国連安全保障理事会はシリアに人道支援を届け、東グータにいる重体の病人と負傷者を搬送するために、30日間の人道的停戦を決議しました。決議案の採択で全当事者に対し、遅滞なく軍事衝突を少なくとも30日間停止するよう要請しました。しかし、ゼイド・ラアド・アル・フセイン国連人権高等弁務官によると、東グータ地区への空爆は、26日午前の段階でまだ続いているということです。
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