いまテイラー・スウィフトさんの話題が世界を席巻しています。生成AIによるテイラー・スウィフトさんの性的な画像がXで拡散、強大なスウィフティー(彼女のファンの総称)が、彼女を守るため”Protect Taylor Swift”をバズらせています。このディープフェイク・ポルノにまつわる問題の解決を新たなフェーズに移行させてくれるかもしれません。また、MAGA(Make America Great Again)部隊から出てきた陰謀論も話題です。スウィフト女史は「国防総省の秘密諜報員」というもので、バイデン大統領の再選支持に向けてファン層を強化しているとのことです。テイラー・スウィフトさんの発言や動向が両陣営から注目されています。
- ディープフェイク・ポルノに勝てるのは、テイラー・スウィフトしかいない(1/31 Wired.jp)
- Taylor Swift, Travis Kelce and a MAGA Meltdown(1/30 The New York Times)
ディープフェイク(deepfake)は、深層学習(deep learning)と偽物(fake)を組み合わせた混成語、AIに基づく画像・映像合成技術を指します。ある独立した立場の研究者による分析によると、2023年中の同意なきディープフェイク・ポルノは、過去のアップロード数すべてを合わせたよりも多くなるとしています。生成AI技術の進歩とディープフェイクのエコシステムの拡大、その両方に勢い付けられ、同意なきディープフェイク・ポルノは急激に増加しています(下記リンクを参照)
- 「ディープフェイク・ポルノ」を誰も止められない(10/25, 2023 Wired.jp)
最初にディープフェイクが浮上してから6年近くが経って、フェイク画像をシェアすることを犯罪とする最初の法律が作られようとしています。新たな法体系に加えて、テクノロジーに関する教育の充実、さらに害を為す道具(ツール)の拡散を阻止する手立てが必要だと専門家は言います。
この「ディープフェイク・ポルノ」拡散にはホワイトハウスも注目しており、1月26日の記者会見でカリーヌ・ジャン=ピエール報道官は、「私たちはこれを非常に真剣に受け止めています」として、「この問題に対処するための法律が当然あるべき」「議会は立法措置を講じるべき」、そして「私たちは連邦政府からできる限りのことを続けていく」としています。
- 情報BOX:テイラー・スウィフトさんも被害、偽ポルノ画像どう対応(2/2 ロイター) 法律の専門家が解説
米国最大のスポーツイベントの一つであるスーパーボウル(2月11日)の観戦にスウィフトさんが駆けつけ、交際相手のトラビス・ケルシー(Travis Kelce)さんとともにバイデン氏支持をぶち上げるのではないか、との臆測が共和党支持者の一部で飛び交っているそうです。そのためにカンザスシティ・チーフスを不正に勝利させる陰謀がある、といった言説も流れているようです。
- Cultural impact of Taylor Swift(en:Wikipedia)
テイラー・スウィフト効果(The Taylor Swift Effect)
テイラー・スウィフトさんは2月7~10日に東京ドームで4夜連続のコンサート「The Eras Tour」を行う予定です。一方、米メディアによると、2月11日のスーパーボウルにも行くということです。日本から米国へ飛行する際には日付変更線を超えるため、10日夜に東京を出発すれば、同じ10日中にラスベガスに着くことができ、試合に間に合います。16日からはオーストラリアでコンサートを予定しており、またすぐに太平洋を渡るとみられます。テイラー・スウィフト効果はスポーツ界も席巻します。
経済効果.NETがテイラー・スイフト東京公演の経済波及効果を推定値で算出しています。
- テイラー・スイフト 東京ドーム公演 経済効果341億円(1/31 経済効果.NET)