米国のオーディオブックの売上は2018年に10億ドル近くに達し、前年比25%も成長しています。この活況に対応するように、優れたジャーナリストの記事や文学作品に贈られる「ピューリッツァー賞」では、2020年から「オーディオ・レポーティング」という部門を新たに設けると発表しました。対象となるのはラジオやポッドキャストで放送されたレポートで、既に紙媒体のあるマスコミでも、放送のみのものでも良いそうです。また、米国のNetGalley(ネットギャリー)では、オーディオブックの抜粋配信サービスも始まっているようです。
- Pulitzer Prize Board Announces New Audio Reporting Category(The Pulitzer Prizes)
- U.S. Audiobook Sales Neared $1 Billion In 2018, Growing 25% Year-Over-Year(Jul 16, 2019 Forbes)
人の活動範囲において、音楽や音声などのオーディオメディアは、仕事や教育を含む幅広いライフスタイルと相性が良いと思います。テクノロジーの発達で「オーディオ」は再評価され、デジタル・オーディオ市場は成長を続けています。
刊行前のゲラ配信サイト「ネットギャリー」では、既にサイトにアップロードされている本に出版社がオーディオブックを一部聞けるようにする機能を加えたそうです。2020年夏までには一部抜粋でなく、オーディオブックを全文配信できるようにするということです。サイトではリスナーからのフィードバックを募集しています。
NetGalley(ネットギャリー)とは、出版社、レビュアー、ブロガー、メディア関係者、図書館員、書店員、教育関係者といったみなさんに新たな「繋がり」をもたらす、簡単で画期的なWebサービスです。NetGalleyは電子的なゲラ(いわゆるプルーフ本)をプロフェッショナルな読者に配信し、これから発売される新刊や発売中の作品の販売促進、埋もれている過去の作品の掘り起こしなどを支援します。
- Introducing Audio Excerpts on NetGalley!(NetGalley.com)
- 米ネットギャリーとピューリッツァー賞がオーディオ対応へ(大原ケイ/hon.jp)