ジャポニスム(仏: Japonisme)、ジャポニズム(英: Japonism)は、19世紀中頃の万国博覧会(国際博覧会)へ出品などをきっかけに、日本美術(浮世絵、琳派、工芸品など)が注目され、西洋の作家たちに大きな影響を与えました。1870年(明治3年)には、フランス美術界においてジャポニスムの影響はすでに顕著であり、1876年には「japonisme」という単語がフランスの辞書に登場しています。
絵画としては、ゴッホの「タンギー爺さん」や、クロード・モネの打掛姿の妻カミーユを描いた「ラ・ジャポネーズ」が有名です。
日本では文明開化が起こり、浮世絵などの出版物や民俗風習などが急速に衰えていきます。
ゴッホとも交流があったヘオルヘ・ヘンドリック・ブレイトネル(George Hendrik Breitner)は、オランダのロッテルダムに生まれた(1857‐1923)画家で写真家です。
ジャポニスムに影響された絵画と写真の女性は、Geesje Kwak(16歳)さんです。
日本の着物姿を描いていますが、浮世絵などの女性姿とは大きく異なり、モデルのポーズや全体構図、さらに色彩コントラストも西洋感覚なのが面白い斬新な絵画のように思います。
ブレイトネルは写真家でもあったので、写真を撮ってから絵画にしたようですが、女性モデルの人物ポーズと身体の輪郭を覆いつくす着物の描画は実験的でもあり、独特のジャポニスム表現のように思います(^^)
クロード・モネの「ラ・ジャポネーズ」では、浮世絵のように女性モデルを美しく描き、そのポーズが着物姿を美しく魅せています。
カミーユさんの金髪と右手に持たせた扇子は、豪華な着物(打掛)に負けないインパクトがあります。ボストン美術館で間近で観たのですが、圧倒的な存在感(縦231.3cm、横142.3cm)がありました。
ボストン美術館で一番印象的な絵画は、ルノワールの「ブージヴァルのダンス」で、最もナチュラルで女性の美しさが表現されているように思いました(^^)
この作品は、ルノワールがルーヴル美術館の絵画の模写を通して学んだ、より古典主義的な様式を取り入れた最初の作品だと言われているそうです。
- George Hendrik Breitner(Rijksmuseum)アムステルダム国立美術館
- Women wearing kimonos in Western painting(Wikimedia Commons)