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Guilty Flavours

プラスチック廃棄物から製作されたバニラ・アイス(Guilty Flavors: 罪の味)

これは普通のバニラ・アイスクリームのように見えるかもしれませんが、このアイス、実はプラスチック廃棄物から作られています。ロンドンを拠点とするデザイナーのエレオノーラ・オルトラーニ(Eleonora Ortolani)さんの発案に、プラスチックを分解するバクテリアの研究を行っている英エディンバラ大学のジョアンナ・サドラー博士(Dr Joanna Sadler)が協力しました。

未来のスイーツ?廃プラスチックから「バニラアイス」、英研究者らが制作 / ロイター(YouTube)

オルトラーニさんは、人々の食べ物に対する考え方を変えたいと話します。そして、「このアイスを人が食べられるようになるまでには、まだ大規模な試験を経なければならないのです。それまでの間、このアイスを作品として展示して、作品のタイトルは Guilty Flavors(罪の味)だ」と語ります。

また、「プラスチック廃棄物からアイスクリームのサンプルを作ったのはこれが初めてだと思う。実は、このアイスクリームの中に入っているバニリンは、ペットボトルと同じプラスチックから作られている。バニリンを作るために、プラスチックを自然に分解することができるバクテリアや酵素を使用した」と述べています。

Guilty Flavours
Guilty Flavours, 2023 Graduation Project MA Material Futures / Eleonora Ortolani

ジョアンナ・サドラー博士は、オルトラーニさんのプロジェクトのために特別に設計されたバクテリアを提供しました。この方法はバニラアイスにとどまらず、ほかの味や食品に及ぶ可能性を持っていると言います。「ポリエチレンテレフタラート(PET)を分解して、モノマーと呼ばれる構成要素にすれば、それを様々なものに変えることができる」としています。

サドラー博士は、プラスチックを分解して食べ物などほかの物に変える研究には批判的な声もあるといいます。博士は、オルトラーニさんのアイスクリームのような製品がすぐに地元の食料品店の棚に並ぶわけではないと強調します。「プラスチックを食べるように勧めるのは無責任だ」と一般の人たちからメールをもらったこともあるそうです。

オルトラーニさんは、「このプロジェクトは、プラスチックのリサイクルがいかに不十分か、プラスチックについて様々な情報があるにもかかわらず、その生産量は減るどころかむしろ増えていることに対する大きな不満から始まった」と語り、「このアイスクリームが、プラスチック汚染の問題と世界的な食糧危機について、人々が関心を持つきっかけになることを願っている」と述べています。

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