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ロシアが米国人ジャーナリストをスパイ容疑で拘束(起訴)

ウクライナへの軍事侵攻を始めて以降、メディアへの締めつけを一段と強めているロシア連邦保安庁(FSB)は、米国の有力紙ウォール・ストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal: WSJ)の米国籍の記者をスパイ活動を行っていた疑いで拘束したと発表しました。WSJは記者が拘束されたことを電子版の記事で伝えたうえで「FSBの主張を強く否定し、エバン・ゲルシュコビッチ(Evan Gershkovich)氏の即時釈放を求める。われわれは、エバンと彼の家族と連帯している」とする声明を出しました。
<追記:4/8 タス通信はエバン・ゲルシュコビッチ記者をスパイの罪で起訴と報じる>

Evan Gershkovich / evangershkovich.com(Website)

ロシア連邦保安庁は、「米国政府のためにロシアの軍需産業に関する情報を収集しようとスパイ活動を行っていた疑いがある」として、中部の都市エカテリンブルクで拘束したとしています。ロシアの刑法では、スパイ活動を行っていた罪で有罪となった場合、最長で禁錮20年となる可能性があるということです。モスクワの裁判所は同氏を約2カ月勾留する命令を出しています。

スパイ容疑での米国人ジャーナリストの拘束は、1986年以来とみられます。3月30日、米国政府は「最も強い表現」で拘束を非難する声明を発表。バイデン大統領はロシアに即時解放を要求しました。

両親が旧ソビエト連邦から米国に来たロシア語話者のゲルシコヴィッチ氏は、ロシアでの取材経験が豊富で、報道機関のモスクワ特派員の間でも知られた存在です。WSJによると、ゲルシコヴィッチ氏は29日夜、モスクワから1,600キロほど東に位置するエカテリンブルクでの取材中に連絡が取れなくなりました。米当局は、ゲルシコヴィッチ氏の運転手がレストランで同氏を下ろし、その2時間後に同氏の携帯電話の電源が切られたとしています。WSJは弁護士を雇い、エカテリンブルクのロシア連邦保安庁(FSB)事務所で同氏を探そうとしたものの、事務所からは情報はないと言われたということです。

ゲルシコヴィッチ氏の最新記事は、下記の「ロシア経済は崩壊し始めた」として、「投資は減り、労働力は不足し、予算は圧迫される」「オリガルヒ:来年はお金がない」を内容としています。

ゲルシコヴィッチ氏のインスタ最新投稿は、子供3人を含む40人以上が死亡したウクライナ東部ドニプロの集合住宅へのミサイル攻撃の犠牲者を追悼するために、モスクワにあるウクライナ詩人(レーシャ・ウクライーンカ)の銅像に献花された写真です。(1月26日)

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