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世界で最も美しい本: ケルズの書(The Book of Kells)

ケルズの書(The Book of Kells)は、「ダロウの書」「リンディスファーンの福音書」とともに三大ケルト装飾写本の一つとされ、アイルランドの国宝となっており「世界で最も美しい本」とも呼ばれています。

豪華な装飾がなされているヨハネによる福音書のページ / Wikipedia
豪華な装飾がなされているヨハネによる福音書のページ / Wikipedia

8世紀に製作され、縦33cm、横24cm。豪華なケルト文様による装飾が施された典礼用の福音書で、四福音書(マタイによる福音書、マルコによる福音書、ルカによる福音書、ヨハネによる福音書)が収められています。

聖コルンバの偉業を称えるために、スコットランド、アイオナ島のアイオナ修道院で製作が着手され、その後アイルランドのケルズ修道院で完成されました。

現在は、ダブリン大学のトリニティー・カレッジ博物館に所蔵されています。

人類が長い間記憶して、後世に伝える価値があるとされる記録物を選定するユネスコ記憶遺産(世界記憶遺産)に選定されています。

ケルト美術(様式)の美術書として、素晴らしい「ケルズの書」の完全復元版が、丸善等で約220万円で販売されたこともあるようです。

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ケルト十字 / Wikipedia
ケルト十字 / Wikipedia

アイルランドやスコットランドでは、古代ケルトの石への信仰とキリスト教の融合により、十字架に円環を結合した文様が彫刻された独特の石造十字架がシンボルとして見られます。

ケルト文化は、キリスト教に融合されてケルト修道院が存在するようになりました。

そこでは、福音書の写本にケルト文様(Celtic knot)が装飾されるようになり、キリスト教の布教とともに発展しました。「渦巻文様」「組紐文様」「動物文様」は、ケルト写本を飾る代表的な文様です。

ケルトの芸術(Celtic art)は、近代のアールヌーヴォー装飾美術にも影響を与え、「絶え間ない変化」の中で現代にも受け継がれています。

古代ケルト人は文字をもたず、宗教は自然崇拝の多神教、神話は口承されてきました。

日本の先住民族、アイヌが育んできた文化「口承文芸」や「自然観」、そして「アイヌ文様」との共通性や類似性は偶然では無いように思います。

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