シリアの首都ダマスカスの辺縁にあるテル・ラマド(Tell Ramad)の遺跡によって、紀元前8,000年から10,000年もの昔から人が定住していたことが分かっています。
世界一古くから人が定住している古代都市ダマスカスとして世界遺産になっています。
ウマイヤド・モスク(Umayyad Mosque, Arabic: جامع بني أمية الكبير)は、715年にダマスカスに建築され、現存する世界最古のモスクであり、世界最大級のモスクの一つでもあります。
もとはキリスト教の洗礼者ヨハネ教会(洗礼者ヨハネの墓があります)でしたが、7世紀になってダマスカスがムスリムの支配下に入り、10年の歳月を費やして敷地全体がモスクへと改装されました。
このため、ローマ建築・ビザンティン建築の様式が色濃く出ています。
ユネスコ(UNESCO)は、2013年にシリア情勢の緊迫化などを理由にその時点で登録されていた、6件の世界遺産すべてを危機にさらされている世界遺産(危機遺産)リストに加えています。
- 古代都市ダマスカス – (1979年)
- 古代都市ボスラ – (1980年)
- パルミラ遺跡 – (1980年)
- 古代都市アレッポ – (1986年)
- クラック・デ・シュヴァリエとカラット・サラーフ・アッディーン – (2006年)
- シリア北部の古代村落群(英語版) – (2011年)
シリアの内戦は、同国の反体制派と政権の対立だけにとどまららず、近隣諸国もそれぞれこの紛争に利害関係を持つことから、地域内のライバル同士や対立する利害間の代理戦になっているとの見方が強くあります。
内戦激化による化学兵器の使用疑惑や、シリア難民が200万人を超えるなど「シリア危機は今世紀最大の惨劇である。多くの人々の苦悩と難民を生み出した、近年類を見ないほどの恥ずべき人災である」アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官は訴えています。
また、アンジェリーナ・ジョリーUNHCR特使は、「世界はシリアの人道危機への危機感をなくしている。紛争によって生み出された人々の苦しみは、悲劇的な結末を暗示している。」 そして「我々は何百万人もの家を追われた罪のないシリアの人々を支援し、難民の流入になんとか持ちこたえようとしているシリア周辺国にも手を差し伸べなければならない。」と語りました。
- シリア内戦(Wikipedia)
- シリア危機:シリア難民200万人を超える(UNHCR 日本事務所)