世界経済フォーラム(WEF)は、7月13日に世界男女格差指数(Global Gender Gap Index)の2022年版を発表しました。これは政治参加、経済、教育、それに医療の4分野14項目のデータを基にして、各国の男女の格差を分析した指数です。日本は、調査対象となった世界146カ国のうち 116位(2021年は156カ国中の120位)となりました。分野別では政治参加は139位、経済が121位、教育はなんと1位、医療は63位です。誰が考えても日本経済の長期低迷、少子化、幸福度ランキングの低さの要因です。
- Global Gender Gap Report 2022(13 July 2022 WEF)
- 「ジェンダーギャップ・レポート 2022」 複雑化する危機:パンデミックの混乱と回復の弱さを背景に、ジェンダー・パリティにはなお 132年が必要(7/12 栃林直子/世界経済フォーラム)
世界で最もジェンダー平等が進んでいるのは、13年連続でアイスランド。同国はジェンダ ー・ギャップを90%以上解消した唯一の国でもあります。上位10カ国のうち6つが欧州の国で、同地域35カ国中9カ国でスコアが1%以上改善しています。女性の政治進出が活発なルワンダが6位に入っています。北米は最も格差が低い地域で、ジェンダー・ギャップの76.9%が解消しています。
WEFはコロナ禍によって女性の方が失業や賃金減の悪影響を強く受け、「男女平等の達成が一世代分遅れた」と分析してます。世界で顕著になっている物価高が、賃金の低い仕事に就いている女性により大きな打撃を与えています。
2022年のG7各国の順位はドイツが10位、フランスが15位、英国は22位、カナダ25位、米国27位、そしてイタリアは63位、日本(116位)は大きく引き離されています。日本と同水準の国は西アフリカのブルキナファソ(115位)、インド洋のモルディブ(117位)などです。
政治参加の順位は139位で、世界の最下位圏をさまよっています。女性の権利を制限していると指摘されるアフガニスタン(107位)やサウジアラビア(132位)も下回っています。(7月10日投開票の参院選の結果は反映していません)
次に評価が低かったのは経済(121位)です。管理職に就く女性の少なさや、男女の所得に差があることが順位を下げています。企業が多様性のある判断をしにくくなるほか、日本で働く魅力も下がります。海外の優秀な人材が日本に集まらなくなります。
- 女性活躍推進法 見える化サイト(男女共同参画局)
- 女性の活躍推進企業(データベース)(厚生労働省)
- ジェンダー・パリティ(ジェンダー公正)(世界経済フォーラム)