世界経済フォーラム(WEF)は、6月20日に世界男女格差指数(Global Gender Gap Index)の2023年版を発表しました。これは政治参加、経済、教育、それに医療の4分野14項目のデータを基にして、各国の男女の格差を分析した指数です。日本は、調査対象となった世界146カ国のうち125位(2022年は116位)となり、過去最低となってしまいました。分野別では政治参加は138位、経済が123位、教育は47位、医療は59位です。誰が考えても日本経済の長期低迷(日本病)、少子化、幸福度ランキングの低さの最大要因です。
- 「ジェンダーギャップ・レポート 2023」 停滞するジェンダー平等 – 格差是正まで131年(6/20 WEF)
世界経済フォーラム パブリック・エンゲージメント・リード栃林直子 - Global Gender Gap Report 2023(WEF)
今年で17回目となる2023年世界男女格差指数です。世界で最もジェンダー平等が進んでいるのは、14年連続でアイスランド。同国はジェンダ ー・ギャップを90%以上を解消し続けている唯一の国です。上位9か国(アイスランド、ノルウェー、フィンランド、ニュージーランド、スウェーデン、ドイツ、ニカラグア、ナミビア、リトアニア)は、少なくとも80%の男女平等を達成しています。
2023年のG7各国の順位(昨年)は、ドイツが6位(10位)、フランスが40位(15位)、英国は15位(22位)、カナダ30位(25位)、米国43位(27位)、そしてイタリアは79位(63位)、日本125位(116位)は当然に最下位です。お隣りの韓国は105位、中国は107位。日本の順位付近の国では、ミャンマー(123位)、インド(127位)、サウジアラビア(131位)となっています。
日本が属する東アジアと太平洋地域(19カ国)では、オーストラリアとニュージーランドがこの地域で最も経済格差が改善しています。日本はミャンマー(123位)に次ぐ最下位にリストされています。
日本の教育は47位(0.997)、医療は59位(0.973)でパリティ指数的にはほぼ平等となっています。一方、男女格差の経済環境は123位(0.561)と低迷、昨年(0.564)より悪化しています。政治参加におけるパリティ指数はなんと「0.057」、これは世界で最も低いレベルです。順位は138位、政治参加は世界の最下位圏をさまよっています。
リンクトインが提供する163カ国のグローバルデータによると、2023年の労働人口に占める女性の割合は41.9%である一方、上級指導職(ディレクター、副社長、C-Suite(経営陣))に占める女性の割合は32.2%と10%近く低くなっています。リーダーシップのポジションに採用される女性の割合は、過去8年間、世界的に毎年約1%ずつ着実に増加してきましたが、2023年にはこの傾向が逆転し、2021年の水準となっています。
未来の労働市場において、STEM職は一般的に報酬が高く、その重要性と範囲が拡大すると予想されています。しかし、リンクトインのデータによると、STEMの労働力全体において、女性はわずか29.2%と、依然として著しく存在感が薄いことが示されています。AI分野については、人材の確保が急増しており、2016年から2022年の間に6倍に増加していますが、現在AIで働く女性の割合は約30%で、2016年に比べてわずか4%の増加に止まっています。
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世界経済フォーラム パブリック・エンゲージメント・リード栃林直子