デジレー・アカヴァン(Desiree Akhavan)さんは、好きな女性がいることをイラン移民の両親に告げたとき、反対するだろうと分かっていました。講演で、本当の自分を知ってもらうことに、大きなリスクを冒す価値があることを説明します。また、イラン社会の「タアーロフ」の表現や態度について、笑いが溢れる講演にもなっています。アカヴァンさんは、2014年映画「ハンパな私じゃダメかしら?(Appropriate Behavior)」や、2018年の映画「ミスエデュケーション」の監督・脚本・女優として知られています。
- TED Speaker: Desiree Akhavan(Filmmaker, writer)
- Desiree Akhavan @akhavandesiree(X)
私の両親は善良で従順なイラン人として生まれました。彼らの結婚はお見合いではなく紹介で、出会って3ヶ月後に結婚しました。父は26歳で母は19歳でした。私が19歳の時、両親とその友人たちとの集まりの席で、ある一人が言うには 「正直なところ、私は子どもたちが同性愛者になるよりも、ガンになったほうがマシだと思う。子どもたちは私に「ママはホモフォビアよ」と言うけど、とにかく、それは事実なのよ」(笑)
その会話の6年後、私は好きな女性がいると両親に告白しました。その間、目を閉じて超高層ビルから飛び降りるような気分でした。私のママは動揺すると、悪い事件の探偵並みに、すべての情報を要求し、もっとひどい裏切りをこちらが隠しているのではないかと嗅ぎ分けようとします(笑)
嘘をつけないのが私の性格上の欠点です。不器用で率直すぎるんですね。慎み深さがないんです。イラン人は言葉の裏を読んで意味を伝えます。表面に現れない意味ですね。第二言語として言葉の裏の解読を学ばなければなりません 「タアーロフ」という言葉もあり、本心ではない気前の良さを意味します。(笑いと拍手)
今でもイランでタクシー代を払うと、こう言われるでしょう。「いやいや料金はいただきません。あなたは私にとって姉妹や娘、母のようなものですよ。あなたからお金は取れません」。そして、代金を受け取るよう相手を説得しなければなりません(笑)
自分がこうあるべきとか、他人の理想に合わせようとする努力をやめたのです。結果的に本当の自分を見つけることができました。その後、私は最初の映画(Appropriate Behavior)の脚本を書き監督し主演しました。この作品は同性愛者であることを隠し、わがままで典型的なイランのミレニアル世代のテーマを探求したものでした。その映画はサンダンス映画祭で初公開され、次の映画(下記動画)はその映画祭でドラマ部門グランプリを受賞しました。(歓声と拍手)
両親の期待を裏切ったり、代々受け継がれてきたルールを採用するとき、あなた自身が選ぶルールか? 考えてほしいのです。もう少し正直になって、あまり従順にならないようにしてほしいのです。両親だけではなく世間に対してもです。
自分のルールに従って生きて、家族を失うか。家族のルールに従って生きて、本当の自分を実現するチャンスを失うかです。私はリスクを承知で賭けに挑戦し、そして、あらゆる困難を乗り越えて勝利したのです。ありがとうございました(歓声と拍手)
1993年、キャメロン・ポスト(クロエ・グレース・モレッツ)は、プロムの夜に車の後部座席でプロムクイーンのコーリーとSEXに及びます。それを何者かに目撃された結果、キャメロンが同性愛者であることが知れ渡ってしまいます。古い価値観の持ち主である叔母のルースは怒り狂い、キャメロンを治療施設「神の約束」へと送り込みます。神の約束では同性愛者を異性愛者に転換させるための治療が行われていました。「同性愛は罪である」などと平然と口にする医療スタッフたちにうんざりさせられるキャメロンでしたが・・・。
- ミスエデュケーション(2018)(IMDb) Ratings: 6.6