新疆ウイグル自治区ウルムチ市において、197人が死亡(当局発表)した2009年ウイグル騒乱の発生から7月5日で10年を迎えます。中国政府はテロ対策を名目にイスラム教徒の少数民族ウイグル族に対する抑圧と監視を強めています。2018年8月の国連会合で、ウイグル族ら推計100万人以上が強制収容施設に送り込まれていることが報告され、国際社会の批判が強まっています。また、顔認識技術を使って自治区の住民250万人以上の個人情報と位置情報を記録していることも明らかになっています。「1984年」のオーウェリアン(Orwellian)が現実化しています。
- 中国「完全監視社会」の実験場、新疆を行く(12/22,2017 WSJ) 動画あり
- 抑圧・監視で安定維持=「強制収容」に批判強まる-ウルムチ騒乱10年・中国(7/4 時事ドットコム)
中国当局が「訓練学校」だと説明する強制収容施設の内部に BBCが入り、施設の真の性質と生活環境を伝えます。(6/19 BBC News Japan)
7月2日、中国の国境警察が旅行者のスマートフォンに無断でアプリをインストールし、個人情報を収集していると報じられました。英Guardianが、米New York Times、独Suddeutsche Zeitung、米Motherboardと共同で調査したものです。確認したのは、キルギス共和国から新疆に入る国境です。
インストールされるアプリは、蜂采(ミツバチを集める、というような意味)という名称で、端末内のメール、テキストメッセージ、連絡帳などのデータを収集、禁止のコンテンツなどもスキャンします。(左図)
Motherboardは、GitHubに Androidマルウェアのコピーを公開しています。
ジャーナリスト Isobel Yeungさんのドキュメンタリーが公開されています。有刺鉄線と高い外壁に囲まれた施設(写真)が幼稚園だと言います。全体主義的なディストピアの恐怖感を体感、目撃したと語ります。(06/29 VICE News)