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人種問題にどう向き合うか(TED: Mellody Hobson)

  • TED

人種についての話題は扱いにくく、慎重さを要します。投資会社の役員であるメロディ・ホブソン(Mellody Hobson)氏は人種問題に触れることは“タブーに触れることだ”と言います。しかし彼女は、だからこそ人種問題について正面から向き合わなければいけないと話します。人種問題について率直で理論的な彼女の話は、魅力的で説得力があります。中でも、雇用の多様性はビジネスや社会において、より良い可能性や効果を与えると彼女は話します。

Color blind or color brave? | Mellody Hobson

私の母は冷酷なほど現実的でした。友達の誕生会に行った日のことでした。招待された子どもで黒人は私だけでした。母は”楽しかった?”とか、”ケーキはおいしかった?”とは聞かずに私の顔を見て聞きました。”どんな扱いを受けたの?” 7歳の私には理解できませんでした。なぜ他の子と待遇が違うの? 母は知っていました。私の目を見て言ったのです。”他人はいつもあなたに優しいとは限らないのよ”。

今日、ここに来る時もそうでした。友人や同僚は私が人種について話すと言うと、リスクが大きすぎると私を止めました。私がこの話をすると、過激な黒人女性だと思われて私のキャリアに傷がつくと言うのです。でも伝えなくては、実は少し不安だったと、そして気付いたのです。問題を解決するために、一歩踏み出すには隠れていてはいけない。どんな形でも一歩踏み出すことで自覚するのです。だからこそ人種について話します。

私が4歳の時でした。“ママがサンタさんよ”(笑)。母は徹底した現実主義者でした。母からは多くのことを教えられました。中でも最も重要だったのは、毎日私に言っていた言葉です。“メロディ、あなたは何にでもなれる”。この言葉のおかげで、暗闇から抜け出し、この言葉に助けられて、何よりも学校が大好きになりました。バスで通学している時には、大きな夢を抱きました。この言葉があったから、私は今ここに立ち、皆さんにお願いします。人種差別に正面から向き合ってください。希望を持つ子供たちのために。 (拍手)

子どもたちがテレビでCEOを見て、“私(僕)もあの人みたいになる”とか、“僕(私)と似てるね”と言って欲しい。そして知って欲しい、何でもできると。高い目標だって実現できると、思い描いた夢も、大企業の役員やリーダーにでも、何にでもなれると。自由の国であり、勇敢な者の故郷である。そういう見方はアメリカの社会に溶け込んでいます。何か課題を抱え込んだら、尻込みせずに真っ向から取り組むのです。態度を明確にして勇気を出すのです。だから今お願いします。勇気を出して下さい。大胆になって下さい。ビジネスリーダーとしてお願いします。問題を棚上げにしないで下さい。国民としてお願いします。子どもを置き去りにしないで下さい。人種問題に背を向けるのではなく、正面から向き合って下さい。どの子どもたちの将来も大切で、夢は叶うと信じられるように。

ありがとうございます(拍手) ありがとう、本当にありがとう(拍手)

アリエル・インベストメンツ(Ariel Investments)は、米イリノイ州シカゴにある投資会社です。米国に拠点を置く中小型株に特化しています。メロディー・ホブソン氏は2000年5月から同社の社長を務め、2019年7月に同社の共同CEOに任命されました。2020年12月26日、彼女はスターバックスの会長に任命され、黒人女性として初めて S&P500 企業の会長に就任しています。

ホブソン・ルーカス・ファミリー財団(Hobson Lucas Family Foundation)のメロディー・ホブソン氏とジョージ・ルーカス氏は、2019年10月16日にニューヨーク公共図書館でカーネギー慈善勲章(Carnegie Medal of Philanthropy)を受章しています。

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