企業の社会的責任(Corporate social responsibility、略称:CSR)は、企業が利益を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響に責任をもち、あらゆるステークホルダー(利害関係者:消費者、投資家等、及び社会全体)からの要求に対して適切な意思決定をすることを指します。日本では利益を目的としない慈善事業(いわゆる寄付、フィランソロピー、メセナ)と誤解・誤訳されることがあります。
CSRは、持続可能な社会を目指すために企業も責任を持つべきであるという考えのもとに成立した概念ですが、そのアプローチの仕方には、国や地域によって、考え方に違いがみられます(Wikipedia参照)
歴史的には、企業の環境破壊に対抗する主張として考え方の基礎がつくられ発展したと言われますが、環境(対社会)はもちろん、労働安全衛生・人権(対従業員)、雇用創出(対地域)、品質(対消費者)、取引先への配慮(対顧客・外注)など、幅広い分野に拡大しています。なお、国連では「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」に関する10原則をグローバル・コンパクトとして提唱し、世界中の企業・団体に参加を呼びかけています。
- GRIガイドライン第4版(G4ガイドライン)(globalreporting.org)ダウンロード
ニールセンが実施した新たな調査によれば、世界60カ国のインターネット消費者の55パーセントが、社会・環境活動に積極的に取り組む企業が提供する製品とサービスをもっと購入したいと答えています。社会的責任を重視するブランドから購入する傾向は、アジア太平洋(64%)、中南米(63%)、中東・アフリカ(63%)で最も高くなっています。北米と欧州の数字は、それぞれ42パーセントと40パーセントです。若い世代ほど持続可能性に対する行動への反応が高くなってます。
- 世界の消費者は社会的責任を重視する企業の製品とサービスで関心のあるものを進んで購入する(6/20 Business Wire)
- 持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development:ESD)(文部科学省)