ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアのミサイル攻撃により遊び場の近くで子供9人を含む19人が死亡してから1週間後、故郷のクルィヴィーイ・リーフで、米国でもっとも人気のあるテレビショー「60 Minutes」のインタビューに応じました。ゼレンスキー氏は「これは、ロシアを信用できないということだ。ロシアとの交渉は信頼できないということだ」と語り、「もし、我々が毅然とした態度を取らなければ、彼(プーチン露大統領)はさらに侵略するだろう」と述べています。
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ゼレンスキー氏は「ロシア軍はウクライナの都市を毎日攻撃している。学校1,700校が攻撃され、600人以上の子供が死亡、医療施設780カ所が攻撃され、民間人13,000人が死亡、ウクライナ軍兵士10万人が死亡した」として、「我が国民は最大の代償を払っている」と60 Minutesに語っています。「これ以上の代償はない。我々は全財産を捧げた。財政面で我々が持つ全てを。しかし最も重要なのは、我々は国民の命を捧げたということだ」と述べています。
これらは、トランプ米大統領が当初ウクライナ抜きでロシアとの交渉を開始した2月に、ゼレンスキー氏が伝えようとした点である。その後、トランプ氏はウクライナが戦争を始めたと主張し、民主的に選出されたゼレンスキー氏を「選挙のない独裁者だ。ゼレンスキー大統領は早く行動しなければ、国は残らない。早く行動しなければならない。戦争は間違った方向に進んでいるからだ」と非難しました。
ゼレンスキー氏は、「残念ながら、ロシアの言説が米国で蔓延していると私は考えています」と述べます。「彼らが侵略者ではなく、この戦争を始めたのも彼らではないと信じるなんて、一体どうしたら可能なのでしょうか?」と述べています。

ゼレンスキー氏は、トランプ米大統領がウクライナを訪問すれば「ここで何が起きているのか理解できる」として、トランプ氏を歓迎すると述べています。「私たちはあなたの立場を尊重します」そして「しかし、どうか、いかなる決定、いかなる交渉計画をする前に、病院、教会、民間住宅が破壊され、民間人や子供たちが殺されているのを見に来てください」と語ります。
ゼレンスキー氏は、「戦争を終わらせる計画を持って行動しましょう。誰と取引をしているのか、プーチンが何をしたのか、理解するでしょう」と呼びかけています。
4月13日、ゼレンスキー大統領はウクライナ北東部スムイ中心部がロシア軍の弾道ミサイル2発の攻撃を受け、少なくとも34人が死亡、117人が負傷したとSNSで発表しました。大量の小型爆弾を空中からばらまくクラスター爆弾が使われたとみられています。
ロシアのウクライナ侵略の停戦交渉が行われる中での攻撃に欧州首脳らから非難の声が相次いでいます。マクロン仏大統領は「ロシアが(戦争の)継続を選んだのは明らかだ」とSNSで表明。ドイツの次期首相に就任する見通しのキリスト教民主同盟(CDU)のフリードリヒ・メルツ党首は「深刻な戦争犯罪だ」と指弾し、これまで同国が供与を拒んできた長射程巡航ミサイル「タウルス」をウクライナ軍への支援に含める意向を示しました。