学校での銃乱射事件が多発する米国で、2013年に全国ニュースが報じた緊急電話(911)の録音内容を基にした、優れた短編映画「DeKalb Elementary」の全編が Vimeoで公開されています。小学校の女性事務職員が、銃を持って校内に侵入した男を説得した緊迫感を表現しています。2018年第90回アカデミー短編映画賞にノミネートされた、リード・ヴァン・ディーク(Reed Van Dyk)監督の短編映画(20分)です。
- Staff Pick Premiere: “Dekalb Elementary” by Reed Van Dyck(7/13 Vimeo)
- 米小学校で銃乱射防いだ女性職員、国中から賞賛の声(8/24, 2013 AFPBB News)
米アトランタ近郊の小学校に、精神疾患の病歴を持つマイケル・ブランドン・ヒル容疑者(20)が、アサルトライフル(AK-47)と500発の銃弾を持って小学校に侵入、職員らを人質にとります。
ヒル容疑者に緊急電話(911)に連絡するのを許された事務職員のアントワネット・タフ(Antoinette Tuff)さんは、電話を片手に容疑者の説得を始めます。
彼は「生きている理由などない。自分は今日死ぬんだ」と語ったそうです。彼女は男を落ち着かせるため、「自分は33年の結婚生活を経た後に夫と別居していることや、障害者の息子がいること」などを話しています。「誰もが人生で困難なことを経験するのよ。ここで一緒に座って、そのことを話しましょう」と呼びかけます。
恐怖と数々の疑問、当惑する理解、緊迫した空間と閉じ込められた感覚を中心に構築されています。作品は一室で撮影された20分間。ヴァンディーク監督は「これよりもはるかに良くなることはありません」、「重大な現実の出来事のノンフィクションレポートのように感じます」と言います。
ヴァンディーク監督は、特に重要な主演のタラ・リッグス(Tarra Riggs)さんとボー・ミッチェル(Bo Mitchell)さんを探すために、「私は正しいキャストなしでは映画を作らないとさえ決めていました。IMDbを精査し、インディーズ映画やテレビ番組などのキャストリストを調べる1か月にわたるプロセスでした」と語り、「1つの誤ったパフォーマンスが私たちを現実から引き離すだろう」と語っています。
また、「これほど深刻な主題で説得力のある口調や演出は難しいと思います。緊張した環境を作るための方策は?」との問いに、私は「この作品を作る上では常に”911コール”でした。視覚的にも聴覚的にも(構成要素)少ないほうが良いと考えていました」と述べています。
- DeKalb Elementary | Short Film | Reed Van Dyk(Website)
- ある小学校にて(DeKalb Elementary)(IMDb) Ratings: 7.5
<閲覧注意>動画には、一部の視聴者に有害またはトラウマを与える可能性のある場面が含まれています。
DeKalb Elementary from Reed Van Dyk on Vimeo.