人々が芸術家や天才に抱く無理な期待を巡ってエリザベス・ギルバート(Elizabeth Gilbert)さんが考察します。そして、わずかばかりの一個人がジーニアス(天才)「である」のではなく、人間はみなジーニアスを「持っている」のだという急進的な考えを語ります。これは私的でもあり、可笑しいながらも、驚くほど感動的な講演です。
最近、回顧録を書き上げました。題名は「食べて、祈って、恋をして(Eat Pray Love)」。明らかに今までの作品と違います。どういうわけか、各国語に翻訳され、話題を呼び世界的ベストセラーになりました。その結果として、今ではどこでも、運が尽きたヒト扱いされます。本当に「もう終り」なんです。みんな心配顔でこう言います「あれを越えられなかったらと、不安では?」「不安にはならない?」「一生書き続けようと・・」「注目される本が書けないって」「もう二度と」(会場から笑いが・・)
作家には不安はつきものです。いえ、全クリエイティブ業界で・・。精神不安定で知られているし。無残な死者の数を見ても明らかです。20世紀だけで偉大な創作者たちが、どれだけ早世し自殺しているか。歴史もさかのぼり、様々な社会も探りました。より良く まっとうな見解はないかと、創作者を助け、創作につきものの精神的リスクを管理できないか・・・。
最後に自分に言い聞かせ続けました。不安にのまれそうになった時に、「恐れない」「ひるまない」「やることをやるだけ」「結果を気にせず続けよ」と、そして「自分に”オレー”」と、真の人間愛と不屈の精神を持ち続けることに対し・・・。有難うございました(拍手)ありがとう(拍手) 興味深く面白い講演です(^^)
- 映画「食べて、祈って、恋をして」(Wikipedia)
TED2014では「成功と失敗と創り続ける力について」として講演しています。
かつてはエリザベス・ギルバート(Elizabeth Gilbert)さんもまた、「作品を出版してもらえない食堂のウェイトレス」の一人で、掲載不可の手紙に落ち込む日々を送っていました。ところが、「食べて、祈って、恋をして」が大成功を収めた時、成功に翻弄され道を見失っている自分の姿が昔の売れなかった頃の自分に重なって見えたのです。見事な洞察力を駆使して、彼女はなぜ成功が失敗と同じくらい人を惑わせるのかを考えます。そして結果に関わらず進み続けるためのシンプルだけど難しい方法を紹介します。
ギルバートさんは、「秘訣は自分が一番気に入っている価値のあるものを見つけ出し、そこに自分の場所を作って、決して動かないことです。もしある日突然、失敗や成功が原因でそこから閉め出されてしまったら、居場所を取り戻すために戦うのです。それが唯一の方法です。死に物狂いで努力を惜しまず、熱心に深い敬意をもって取り組んだなら、それが何であれ愛情が呼び覚まされます。ただひたすらやり続けること、繰り返し、繰り返し・・・。私の長年の経験から断言しますが、そうすればきっと、問題は解決するはずです。ありがとう(拍手)
- エリザベス・ギルバート・TED2014: 成功と失敗と創り続ける力について(TED)
- Kazunori Akashi, Translator Yasushi Aoki, Reviewer(日本語字幕を読む)