10月18日、ウクライナ政府の戦略コミュニケーション・情報セキュリティセンター（SPRAVDI）は、北朝鮮兵がロシア国内のセルギエフスキー訓練場（Sergievsky Training Ground）で装備品を受け取っているとする動画を公開しました。朝鮮語を話す音声も聞こえます。ウクライナ国防省情報総局のキリーロ・ブダノフ局長は、約1万1,000人の北朝鮮兵が11月1日までに露東部での訓練を完了し、最初に2,600人が露西部クルスク州に派遣されるとの見通しを示しています。
- 戦略的コミュニケーション・情報セキュリティセンター:SPRAVDI（Website）
- Центр стратегічних комунікацій та інформаційної безпеки（Facebook）
- 北朝鮮が1.2万人派兵決定 ウクライナ侵攻に「参戦」―韓国政府（10/18 時事通信）
韓国の情報機関、国家情報院（国情院）は18日、北朝鮮がロシアのウクライナ侵攻に「参戦」するため、「特殊部隊など4個旅団計1万2,000人規模の派兵を決定した」と明らかにしました。北朝鮮の大規模な地上戦力の国外派遣は初めて。既に特殊部隊約1,500人がロシア極東ウラジオストクへ移送され、北朝鮮兵はロシアの軍服や偽の身分証を受け取り、偽装工作を図るもようだとしています。
韓国の専門家は「北朝鮮の参戦でロ朝関係が軍事同盟と確認される」と分析しています。北朝鮮は地上戦の実戦経験を得るとともに、ロシアから軍事偵察衛星や大陸間弾道ミサイル（ICBM）、原子力潜水艦などの軍事技術の提供を期待しているとみられ、日本を含む周辺国にとって一層の脅威となる恐れがあるとしています。
ウクライナのアンドリー・シビハ（Andrii Sybiha）外相は18日、「北朝鮮は兵器と人員でロシアのウクライナ侵略を支援している。雇われ兵ではない正規部隊で、ロシアは捨て駒として使うつもりだ」と指摘しました。「ロシアは北朝鮮を戦争の当事者として巻き込むことで、侵略を拡大させている」と非難し、国際社会の対応を求めました。
米国のカート・キャンベル国務副長官は18日、北朝鮮がロシアに協力し、大規模派兵を進めているとされることについて「国際政治の中で不吉な展開だ」と述べ、危機感をあらわにしています。
北大西洋条約機構（NATO）のマルク・ルッテ事務総長は18日の記者会見で、韓国の情報機関が発表した北朝鮮によるウクライナへの派兵について「現時点では確認できていない」と語っています。その上で「たとえ物理的に戦場にいなくても、ロシアのウクライナ侵攻を依然として支援している」と批判しました。
- 北朝鮮の派兵確認できず 国防相会合でウクライナ支援協議―ＮＡＴＯ総長（10/18 時事通信）
- ロシアに派遣された「北朝鮮兵」の動画、ウクライナ当局が公開「露は捨て駒として使うつもりだ」（10/19 読売新聞）