4月18日、米司法省はロバート・モラー特別検察官のロシアゲート(2016年米国大統領選挙におけるロシアの干渉)捜査に関する捜査報告書を公開しました。448ページにおよぶ報告書は、第1部ではロシアによる大統領選挙介入およびトランプ選挙陣営との共謀について、第2部ではトランプ大統領による司法妨害について報告されました。
- 【解説】 ムラー報告書で新たに分かったいくつかのこと 大統領の今後は(4/19 BBC News)
報告書の第1部によると、ロシアによる選挙介入は主に、トランプ氏が有利になるよう、対抗馬のヒラリー・クリントン氏を貶めるなどのソーシャルメディアキャンペーンと、ロシア情報機関によるクリントン陣営のコンピューターハッキングおよび侵入により盗み出した資料の公開を通じて行われた。一方、共謀の可能性については、「ロシア政府に関係する人物とトランプ陣営関係者の間に多数のつながりが判明した」としつつ、捜査によって、両者間の共謀または連携は立証されなかったと結論づけました。
第2部で検察官は、司法妨害を立証するに至らなかった理由について法的見解を示しつつ、ジェームズ・コミー元FBI長官の解任や、コミー氏に対するマイケル・フリン前大統領補佐官の捜査終了の要求、ジェフ・セッションズ前司法長官のロシア捜査辞任の撤回、特別検察官の解任の試みなど、約10項目に上る大統領の言動が捜査の焦点となったことを明らかにしました。
モラー検察官は「徹底的な捜査の後に、大統領が明らかに司法妨害をしなかったという事実に自信があるならば、我々はそのように表明をする。事実と法的基準を元に、我々はこの判断にいたることができなかった。大統領の行動と意図に関して我々が取得した証拠は、犯罪行為がなかったと結論付けるには難しい問題を表している。よって、この報告書は大統領が犯罪をしたことを結論づけないが、容疑を晴らすものではない」と結論を述べています。
Reactions:President Trump(en:Wikipedia)
President Trump’s reaction to the Mueller Report
ロイター/イプソスの世論調査によると、2016年大統領選のロシア介入疑惑を巡るモラー特別検察官の捜査報告書の公表後、トランプ米大統領の支持率は3%ポイント低下し、年初来最低の37%に落ち込んだそうです。
- モラーレポート「司法妨害の容疑を晴らすものではない」(4/19 mashup NY)
- 米大統領支持率、今年最低に ロシア疑惑報告書公表後に低下=調査(4/19 ロイター)