10月12日、国連総会の緊急特別会合でロシアによるウクライナ東部・南部4州を一方的に併合しようとする試みを非難する決議案を圧倒的多数で採択しました。国連加盟193カ国のうちの143カ国が賛成し、中国やインドなど35カ国が棄権しました。反対はロシア、ベラルーシ、北朝鮮、シリア、ニカラグアの5カ国だけでした。ウクライナ軍事侵攻をめぐる国連総会決議の採択としては、過去最多の賛成となっています。
- With 143 Votes in Favour, 5 Against, General Assembly Adopts Resolution Condemning Russian Federation’s Annexation of Four Eastern Ukraine Regions(10/12 UN)
- 国連総会、ロシアのウクライナ4州「併合」非難決議を採択 過去最多143カ国賛成(10/13 BBC)
決議案は、ロシアが「住民投票」だとする活動やその後の併合の試みについて国際法に違反し無効だと非難したうえで、各国に対して領土のいかなる変更も認めないよう求め、ロシアに対して一連の決定を撤回し軍を撤退させるよう求めています。
ウクライナ東部のルハンスク、ドネツク、南部ザポリッジャ、ヘルソンの4州をめぐっては、9月30日に「ロシア編入」の是非を問う「住民投票」を行った結果、現地住民がロシア編入に賛成したとロシアは主張しています。4州ではロシアが任命した行政幹部4人が、「編入」のための文書に調印しています。西側諸国は「みせかけ」の住民投票だと非難しています。
- ロシアによるウクライナ4州の併合宣言(Wikipedia)
バイデン米大統領は、「この紛争の危険性は誰の目にも明らかであり、世界はこれに対して明確なメッセージを送った。ロシアは主権国家を地図から抹消することはできない」と述べています。
松野官房長官は記者会見で、「143票の賛成票は、3月2日のいわゆるウクライナ侵略決議の141票、3月24日のいわゆるウクライナ人道決議の140票を上回るもので、国連総会として、国連憲章の原則と目的を守る強い意思を表明したものと受け止めており、歓迎する。日本は共同提案国に入り、賛成票を投じた」と述べました。