7月27日、世界気象機関(WMO)とEUのコペルニクス気候変動サービス(C3S)は、2023年7月は観測史上最も暑い月となる公算が「極めて大きい」と発表しました。この発表を受けて、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は「地球温暖化は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と警告し、世界各国に気候変動対策を強化するよう訴えました。(下記のYouTube)
- July 2023 is set to be the hottest month on record(7/27 WMO)
- July 2023 sees multiple global temperature records broken(7/27 C3S)
発表によると、7月1~23日の世界の平均気温は16.95度で、これまで最も暑い月だった2019年7月の16.63度を上回っています。グテーレス氏は7月の残り数日間に「ミニ氷河期」が来ない限り、記録を塗り替えることになるとしています。1日平均気温でも、これまでの最高気温(2016年8月13日の16.8度)を上回る日が相次ぎ、7月6日には17.08度を記録して観測史上最も暑い1日になっています。
こうした高温について、C3Sのディレクターのカルロ・ブオンテンポ(Carlo Buontempo)氏は、「地球全体の気温が急激に上昇する傾向の一部です。最終的には人為的排出がこれらの気温上昇の主な原因です」さらに、「今年7月の記録が孤立したままになる可能性は低く、C3Sの季節予報によれば、陸上地域の気温は平均を大幅に上回る可能性が高い」と付け加えています。
地球全体として7月が異常に暖かいのは、海面水温(SST)が異常に高い状態が長期間続いたことが原因です。4月以来、世界の1日あたりの海面水温平均値は、この時期としては記録的な値を維持しています。この海面温度の上昇は、熱帯太平洋における海面水温が平均よりも暖かい時期であるエルニーニョの発達と一致しています。加えて今年は北大西洋での海面水温が記録的な高温を続けています。6月の北大西洋全体の平均海面温度は年間で最も高く推移しています。
世界気象機関(WMO)のペテリ・ターラス(Petteri Taalas)事務総長は、「7月に何百万人もの人々に影響を与えた異常気象は、残念ながら気候変動の厳しい現実であり、未来の予兆である」と述べました。「温室効果ガス排出削減の必要性はこれまで以上に緊急になっています。気候変動対策は贅沢ではなく、必須です」、「今年4月以来、世界の日平均海面水温はこの時期としては記録的な値を維持しています」と述べています。
He warned, “The era of global warming has ended; the era of global boiling has arrived,” adding that “the air is unbreathable. The heat is unbearable. And the level of fossil fuel profits and climate inaction is unacceptable.”