国際NGO 国境なき記者団(RSF)は、世界各国の「報道の自由」を比較した2020年報道自由度ランキングを発表しました。RSFのクリストフ・ドロワール事務局長は全体の傾向について「さまざまな危機を抱えるジャーナリズムの将来にとり、今後10年が決定的な意味を持つ」と主張します。新型コロナウイルスの世界的な流行で、各国の政治情勢など、信頼できる情報を得る権利を阻害する要因が明確になっていると指摘しました。
- 2020 World Press Freedom Index: “Entering a decisive decade for journalism, exacerbated by coronavirus”(Reporters without borders)
- 中国に「報道の自由」があれば新型コロナの拡散回避も 国境なき記者団が最新番付(4/21 CNN)
良い状況 満足できる状況 問題のある状況 困難な状況 非常に深刻な状況
対象の180カ国・地域のうち、日本は昨年から1つ順位を上げ66位となりましたが、編集方針が巨大な「系列」の経済的利益に左右されると改めて指摘されています。1位は4年連続のノルウェー、2位フィンランド、3位デンマークが続いています。米国は「悪い見本」と評されましたが、順位は48位から45位に上がりました。
RSFのレベッカ・ビンセント英国支部長は、CNN Businessとのインタビューで、中国で新型ウイルスの危険性に関する情報が自由に報道されていれば、世界はもっと早く、深刻に受け止めていたはずだと指摘します。情報統制が現実の死を招いたと主張しました。
新型コロナウイルスのパンデミックへの対応とランキングの間には明確な相関関係があります。コロナウィルスの教訓を学ばない中国(177位)とイラン(173位で3位下落)は、新型コロナウイルスの発生を広範囲に検閲しました。
イラク(162位で6位下落)は、コロナウイルスの数字に疑問を投げかけた記事を発表したロイター通信に活動を禁止(その後撤回)しました。ハンガリー(89位で2位下落)は、虚偽の情報に対して最高5年の量刑を科す、コロナウイルス法を可決しました。
新型コロナウイルス時代の「報道の自由度」について、最下位に転落した北朝鮮を始め、中国、フィリピン、イラン、エジプト、イラク、コモロ、ブラジル、ハンガリー、バラルーシの国々の検閲や規制、プロパガンダ、危機を述べています。