スペインの科学者サンティアゴ・ラモン・イ・カハル氏は、世界で初めてニューロン説を唱え、1906年にノーベル生理学・医学賞を受賞します。その著書「神経系の再生と変性」の中で「一度出来上がった脳細胞のシステムは、変化せず、増殖は不可能だと思われる」という趣旨のことが述べられています。
- TED Speaker: Sandrine Thuret(Neural stem cell researcher)
そこから「ヒトの脳の神経細胞は、青年期を過ぎると一日10万個のペースで死んでゆき、補充される(新たに生まれる)ことは無い」との通説/俗説が生まれ、何十年も信じられていました。
大人になってからも、脳の神経細胞を生成する「神経新生」のメカニズムを解説するのは、キングス・カレッジ・ロンドンの神経科学者であるサンドリン・チュレ博士(Dr Sandrine Thuret)です。
カロリンスカ研究所で働くヨナス・フライセン氏は「人間は1日当たり700個の新しい神経細胞を海馬で生成している」と推測しています。
人間の神経細胞の数は脳細胞が何百、何千億個とも言われていますが、50歳になれば脳の神経細胞は生まれたときに持っていたものから、成人してから生み出されたものに全て取り替えられるとのことです。
この「神経新生をコントロール可能か?」という疑問については、回答は「イエス」で人為的に神経新生をコントロールすることは可能と述べています。
チュレ氏は、学習、セックス、ランニングは神経新生を活性化し、反対にストレス、睡眠不足、老化は神経新生を不活性化することが研究により明らかになっていると語ります。
食生活でも強い効果を与えられ、日本の研究グループが食べ物の食感と「神経新生」の関わりを調べたところ、「やわらかい食事」は神経新生を不活性化し、「咀嚼」を求めるような食事やバリバリした食べ物は神経新生を促進することが明らかになっています。