北海道小樽出身の詩人、小説家、漫画原作者、画家でもあった小熊秀雄(おぐま ひでお、1901年9月-1940年11月)さん。小熊秀雄生誕120年ということで長編叙事詩集「飛ぶ橇ーアイヌ民族の為めにー」を題材にした合唱曲「飛ぶ橇」が、日本音楽協議会の主催で三鷹芸術文化センターで初演されました。(YouTube参照)
- 初演される「飛ぶ橇(そり)」は小熊秀雄が1930年代に書いた叙事詩(10/14 @gakuen_zaka)
- 日本音楽協議会(日音協)(Website)
1901年(明治34年)9月9日、北海道小樽市稲穂町に生まれます。幼少期を稚内市・秋田・樺太で過ごし、養鶏場の番人など様々な雑務作業に従事した後、1922年に旭川新聞の記者となります。その頃から詩、批評、童話などをつぎつぎと発表します。1935年に第一詩集「小熊秀雄詩集」、長篇叙事詩集「飛ぶ橇」を出版します。1940年(昭和15年)11月20日、肺結核により満39歳で亡くなっています。
長編叙事詩集「飛ぶ橇ーアイヌ民族の為めにー」は、厳寒の冬の樺太、二十数戸のアイヌ漁村の自然と人間に対する熱烈な共感で語られた長編叙事詩。アイヌである主人公の権太郎と和人の小役人との物語です。全文が青空文庫で読めます。
- 長編叙事詩「飛ぶ橇ーアイヌ民族の為めにー」(青空文庫)
・印牧真一郎メモリアルコンサート
・企画・制作・公演:歌のあつまり‟風”
・原作:小熊秀雄/作曲:港大尋/構成・演出:杉浦久幸/企画協力:竹田恵子(元こんにゃく座代表)
・指揮者:笠村勇樹
晩年は漫画出版社・中村書店の編集顧問になります。旭太郎名義で原作を担当した漫画「火星探険(1940年)」はSF漫画の先駆的傑作とされ、手塚治虫、小松左京、筒井康隆、松本零士らに大きな影響を与えました。
このSF漫画は正しい科学的知識に基づいた、日本SF史上の先駆的な古典として高い評価を得ています。