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The most devastating asteroid to hit Earth

恐竜を本当に殺したのは何か?(小惑星だけではない)(TED-Ed: Sean P. S. Gulick)

  • TED

今から6,600万年前、現在のユカタン半島の近くで、川岸に生えたトクサ科の植物を食べる若いアパトサウルス(カミナリ竜)がいました。当時の地球は熱帯の惑星でした。巨大な恐竜も小さな恐竜も同じように大地を歩き回り、爬虫類や触手を持ったアンモナイトが海を泳ぎ回っていました。しかし、一瞬のうちに何もかもが変わってしまいました。ショーン・P・S・ギューリック(Sean P. S. Gulick)教授が地球の最も壊滅的な時代を詳しく説明します。

The most devastating asteroid to hit Earth
The most devastating asteroid to hit Earth – Sean P. S. Gulick

幅12Km程の小惑星が、およそ秒速20Kmで地球に向かって突き進んでいました。アパトサウルスが立っていた場所にです。小惑星は地球の大気圏をたった数秒で突き抜け、海中にあるユカタンの大陸棚に衝突しました。小惑星は衝突の際に爆発し、たちまち直径100Kmの穴ができ、堆積岩や結晶質岩が放出されました。数分以内に現代ではチクシュルーブとして知られている衝突クレーターが、中心に向かって崩れ落ち始めました。その時、底の部分が地表から約20Km上空に跳ね上がり、その後、元の位置に落下し外側へと広がり環状の山脈を形成しました。

小惑星の衝突から放出されたエネルギーは、核爆弾の数十億倍だったと推定されています。その力は断層が引き起こすどんな地震よりも、はるかに大きい地震エネルギーを地球全体に放出しました。1,500キロ圏内の生命は、全て即座に焼き尽くされ、その直後には巨大な波、地滑り、ハリケーンの強風が別の命を奪いました。しかし、多くの生物が各地で生き残りました。大部分の恐竜をはじめとした多くの生物種を滅ぼしたのは、この後に起きたことでした。

小惑星が衝突により二酸化炭素を大量に含む石灰岩と、硫黄が飽和した堆積物が数百ギガトンも大気中に放出されました。硫黄は水蒸気と結合して硫酸塩エアロゾルを生成しました。この石灰岩ダスト、すす、硫酸塩エアロゾルを含んだ噴煙は、衝突があった場所から秒速数キロメートルで広がり、たった数時間で地球全体を覆いました。日光が遮られたと考えられており、地球は長期にわたり暗闇に包まれ、多くの場所で気温が少なくとも25°C下がりました。

ユカタン半島への小惑星衝突を描いた絵画(1994年)/ Wikipedia

小惑星が直接的にもたらした衝撃は壊滅的でしたが、それによって引き起こされた急速な気候変動が、恐竜による約1億6,500万年の支配を終わらせたようです。植物やプランクトンは急速に死滅し、世界中の食物網が崩壊しました。地球上の生命が推定で75%絶滅し、その中に ほとんどの恐竜が含まれていました。生き残った恐竜の仲間は小さな鳥類だけでした。

絶滅の危機を生き延びられた生物がいた理由ははっきりしていません。昆虫のような小さな生物の多くが生き残りました。初期の哺乳類も生き延びました。おそらく穴を掘って冬眠できたからでしょう。また、藻類のような光合成を行う生物のうち、光が少ない環境に耐える術を持ったものも生き残りました。

幸いなことに、小惑星の大きさと破壊力が同程度の衝突が、今後1,000年ほどの間に発生する可能性は低いようで、100万回に7回くらいの確率です。しかし、私たちは今、本質の異なる急激な気候変動の影響を受けています。今回は、人類自身による排出物が原因です。

しかし、恐竜とは違って私たちには、来る大規模な壊滅を回避する機会があるのです。世界各国政府が現在の環境を守り続けるならば・・・。

恐竜が国連で指導者に「絶滅を選択するな」と呼びかけます。


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