米国の疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)は、ジョージア州アトランタにある保健福祉省所管の感染症対策の総合研究所です。CDCは1946年(昭和21年)に創設され、世界共通ルール(世界標準)とみなされるほどの影響力を持ち、実際に日本やイギリス等でも参照・活用されています。未知のウイルスや感染症などを題材にした映画や小説に登場することも多いです。
- Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)(CDC)
情報が整理され、イラストと簡潔な文面で分かりやすい。
CDCは新型コロナウイルスに関し、感染を診断する検査キットを開発し、国内外の検査機関に配布を始めたと発表(2/6)しています。検査キットは通常のインフルエンザの診断で使用する機器で利用でき、4時間で結果が出ます。
- 新型肺炎の検査キットに不具合、作り直しへ 米CDC(2/13 CNN)
- 米国の新型肺炎感染、最悪の事態を想定し準備 CDC所長(2/15 CNN)
CDCのガイドラインでは、咳やくしゃみのある人には、他者への飛沫感染を防ぐためにマスク装着が推奨されています(いわゆる「咳エチケット」です)。しかし、飛沫感染予防のためのマスク装着は、ハイリスクの状況以外では、一般に推奨されていません。口と鼻を覆うマスクでは、目からの飛沫感染を防げないからです。
CDCの見解に従うとすれば、店頭でのマスク品切れは明らかに社会的な過剰反応です。例年わが国では、インフルエンザにおよそ1,000万人が感染し、1万人が関連死(毎日、数十人は死亡)する事実があります。そのようなインフルエンザの怖さに比べれば、新型コロナウイルス感染症をいたずらに恐れる必要はありません。
CDCの歴史、組織や機能を解りやすく展示した、デビッドJ.センサー博物館(David J. Sencer CDC Museum)は、一般公開されているCDCの唯一の場所です。入場と駐車場は無料です。
グローバルでデジタルファーストの時代となった今、あらゆる事象(経済、金融、災害、犯罪、医療など)について、正確な情報と信頼性が担保された組織と知見をもち、情報公開とデジタルに精通し、受け手のわかり易さに配慮できる組織体が必要不可欠です。感染症と国民の健康について責任と権限を持ち、情報を統括する日本版の疾病対策予防センター(Japan-CDC)が必須の時代です。
煽るようなキャッチや、「パンデミック」というような言葉を、マスメディアでも安易に使い社会的な過剰反応を増幅しています。いまは巧みなフェイクニュースや不安情報などは、SNSで一気に拡散してしまいます。
- 感染症対策へのご協力をお願いします(チラシ)(首相官邸)
- 新型コロナウィルスを迅速診断する検査キットの開発(Googleニュース検索)