米ワシントン大学(University of Washington)の研究チームは、昆虫が背負うこともできる超小型の軽量カメラを開発しました。超小型カメラの重量は約250mg、トランプ一枚の重さの1/10程度です。ワイヤレスでカメラの操作が可能で、観たことのない昆虫の視点からライブ映像を提供してくれます。
- A GoPro for beetles: Researchers create a robotic camera backpack for insects(7/13 UW News)
- A Bug-Sized Camera for Bug-Sized Robots and Bug-Sized Bugs(7/16 IEEE)
スマートフォンで使用されている一般的な小型カメラは、広角、高解像度の写真をキャプチャするために多くの電力を使用しますが、昆虫のスケールでは機能しません。カメラ自体は軽量ですが、動作させるバッテリーにより、システム全体が大きくなり、昆虫(または昆虫サイズのロボット)が持ち歩くことができなくなります。
研究チームはハエに注目、一部のハエは複眼に高解像度の領域を持ち頭の向きを変えるだけで、ハッキリ見たいものを追跡しています。視野全体を高解像度で捉えるよりもエネルギーが少なくて済みます。
このハエの省エネ戦略を模倣しています。カメラを支持するアームに電圧をかけて曲げ、カメラを目的の角度に向かせます。アームは約1分間その角度にとどまってから元の位置に戻ります。広角レンズより省エネで高解像度になり、撮影した画像を合成して広角のパノラマ画像にもできます。
また、加速度計を追加して、カブトムシが動いているときのみ撮影が行われバッテリーを節約したそうです。1~2時間しかもたなかったバッテリーが、6時間以上に延長できています。研究チームは、太陽光発電を利用してバッテリーをさらに小さくする計画で、ミニサイズGoProを背負った昆虫が飛び回る未来もありうるだろうとのことです。
University of Washington
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この研究は、マイクロソフトフェローシップと全米科学財団から資金提供を受けたそうです。昆虫に載せられる超小型の超低電力ワイヤレス・カメラは、CIAのスパイロボットなどの諜報活動に限らず、面白い活用法もありそうですね(^^)