これまでに米国などの北大西洋条約機構(NATO)加盟国は、歩兵携行式対戦車ミサイル1万7,000基と、携帯型地対空ミサイル「スティンガー」2,000基などをウクライナに輸送しています。ロシアのウクライナ軍事侵攻が始まって以来、世界14カ国がウクライナへ軍事支援物資を送ったということです。対戦車ミサイル(FGM-148 ジャベリン)の命中率は94%、地対空ミサイル「スティンガー」の命中率は79%、最も命中率が高い携帯型地対空ミサイルとして、2011年にギネスブックに掲載されています。
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携帯型地対空ミサイル「スティンガー」の有効射程は4,800m、その主目標は、低空を比較的低速で飛行するヘリコプター、対地攻撃機、COIN機などですが、低空飛行中の戦闘機、輸送機、巡航ミサイルなどにも対応できるよう設計されています。
国防総省高官は、マーク・ミリー統合参謀本部議長が先週、兵器輸送の拠点になっているウクライナ国境付近の飛行場を訪れ、多国籍による取り組みの様子を視察したことを明らかにしました。同飛行場の運航便数はここ数日の間に、1日数便から運航できる上限の17便に増えています。また、ロシアが軍事侵攻を開始する前から、欧州の上空はC17輸送機などが頻繁に飛行しており、飛行のペースは加速の一途にあるようです。
歩兵携行式対戦車ミサイルの FGM-148 ジャベリンは、米国でドラゴン対戦車ミサイルの後継として開発された携行式多目的ミサイルです。主な目標は装甲戦闘車両ですが、建築物や野戦築城、さらには低空を飛行するヘリコプターへの攻撃能力も備えています。
ミサイルの弾道は、戦車や装甲車両に対して装甲の薄い上部を狙うトップアタックモードと、建築物などに直撃させるためのダイレクトアタックモードを選択できます。射程距離は最新バージョンでは 2,500m。ミサイルは、赤外線画像追尾と内蔵コンピュータによって、事前に捕捉した目標に向かって自律誘導されます。メーカー発表によれば、講習直後のオペレーターでも94%の命中率を持つということです。
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ロシアがウクライナに軍事侵攻して以降、ウクライナ軍はロシア軍のヘリコプターが地対空ミサイルで撃墜される様子を捉えた動画を複数公開しています。
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