米海洋大気局(NOAA)が、深海に暮らすサメなどの生態を撮影した希少な映像を公開しました。海底に沈んだメカジキの死骸に何匹ものサメが群がり、夢中でその肉をむさぼり食う様子が捉えられています。このあと、突如カメラの死角にいた別の大魚が現れます。大きな口で1匹のサメの頭をがっちりとくわえて丸のみにします。
米南東部サウスカロライナ州沖の水深約450メートルの海底に横たわるメカジキの死骸に小型のサメが群がり、体を震わせながらその肉をむさぼっています。死んでからそれほど時間の経っていないメカジキは、体長2.4mほどの大きさです。サメは少なくとも11匹が確認できます。
海底に沈んでくる魚などの死骸は、深海で暮らすサメが生き残るための獲物です。一方で、そうした獲物にありつこうとするサメを狙う、より強力な天敵も存在します。この大魚は最大で全長2.5mに達するイシナギ科(学名:Polyprionidae)のようですが、サメを丸のみにする映像は貴重ですね(^^)
大魚(イシナギ)は、山形県ではサメをエサに釣るようで、「非常に美味」と評価されています。「アラ」「クエ」「ダイシウオ」など、多くの別名があります。
- オオクチイシナギ(Seabass)(市場魚貝類図鑑)
映像は、ノアの調査船オケアノス・エクスプローラー(NOAAS Okeanos Explorer)の遠隔操作型無人潜水機(ROV)「ディープ・ディスカバラー(D2)」が偶然撮影したもので、2019年6月28日の公式ブログで公開されています。
- Dive 07: Oh My Grouper, Look at that Shark(Ocean Exploration and Research)
by Peter J. Auster, Mystic Aquarium and University of Connecticut
June 28, 2019
- 水深450メートル、メカジキに群がるサメ、そのサメを食べる大魚(Newsweek)