10月26日発表された世界経済フォーラム(WEF)の世界男女格差年次報告書2016年版によると、経済成長を危険にさらし、経済発展する機会を奪う可能性がある、男女の不平等に取組む素早い行動をとらないことにより、私たちは世界的に人材を誤って活用していると厳しく指摘しています。
報告書によれば、経済の重要な柱における男女平等の進捗状況は、格差が59%に留まっており、非常に遅くなっています。この数値は、2008年以降のどの時点よりも大きくなっています。
原因の背景に、一つには、世界中の女性の平均収入は、賃金労働および無賃金労働を合計した平均的労働時間が長いにもかかわらず男性の稼ぐ金額の半分強だということです。
もう一つの根強い要因として就労率で、男性の世界的平均就労率が81%であるのに対し女性は54%に留まっています。
95か国で少なくとも大学レベルの教育を受けた女性が同数いるにもかかわらず、女性の管理職の数は依然として低く、国会議員、高級官吏および部長の男女数が等しくなっているのは世界で4か国だけです。
トップ10では、1位アイスランド、2位フィンランド、3位ノルウェー、4位スウェーデン、5位はルワンダとなり、スイスはトップ10から脱落して10位にはニカラグアが上がりました。
米国(45位)は去年から17位下がりました。これは主として推定勤労所得のより透明性のある評価方法によるものです。主要国ではドイツ(13位)、フランス(17位)、英国(20位)が挙げられます。BRICSグループの中では、南アフリカ(15位)がトップを維持し、その次はロシア(75位)で、ブラジル(79位)が続いています。インド(87位)は、21位順位を上げ、経済参加の機会および学歴の分野における改善によって中国(99位)を上回りました。
日本は昨年(101位)から大きく順位を下げ 111位になりました。教育(76位)や健康(40位)の分野も上位ではありませんが、特に経済と政治の両分野は最下位ランクです。国会議員における女性比率で122位、官民の上級職における女性の比率で113位、女性の専門的・技術的労働者の比率で101位とされました。昨年(108位)のインドにも抜かれて、宗教上の理由(身分制度など)がある国々に近いと思います。とても先進国と呼べるレベルではありません。
- Rankings(世界経済フォーラム) 144カ国全てのランキング
- 我々の一生を超える-職場での男女平等は2186年になる見通し(WEF リリース:日本語pdf)
- The Global Gender Gap Report 2016(世界経済フォーラム)