2025年1月7日から10日まで米国ラスベガスで世界最大級の家電見本市「CES 2025」が開催されます。発表が期待されている最新テクノロジーを、世界中のメディアがまとめています。ここでは、AIや自動運転車、ドローン、ロボット、衛星、自動化工場などで不可欠ともなってきた LiDAR(ライダー)(Light Detection and Ranging)に注目します。ニューヨークの Voyant Photonicsは、LiDARフォトニック集積回路(PIC)に光学系を統合することで、優れたパフォーマンスと手頃な価格を実現しました。
- CES 2025 関連情報(Google検索)
- Voyant Photonics(Website)
自動運転車のミリ波レーダーとカメラによる検知は、対象物までの距離計測は可能ですが、正確な形状や位置関係を検知することは現状では困難です。対するLiDARは、先行車・歩行者・建物などの距離や形状、位置関係を三次元で把握することが可能です。高精度な検知が可能なLiDARですが、ハイエンドモデルは数百万円と非常に高価です。いま高精度化と小型化/軽量化、低コスト化が進展しています。
Voyant Carbonは、周波数変調連続波(FMCW)技術を採用し、各ポイントでの瞬時の速度測定を可能にしています。また、ミリレベルの精度、高解像度の物体検知、最大200メートルまでの速度測定などの4D機能を提供します。画期的な Carbon LiDAR は現在注文可能で、1ユニットあたり1,490米ドル(約23万4,000円)、大量購入価格も用意されており、2年間の保証が付いています。
- Fast data capture with FMCW LiDAR? The answer lies on a chip.(9/1, 2020 Voyant Photonics)
2018年にコーネル大学とコロンビア大学の研究者によって設立された Voyant Photonicsは、特許取得済みのナノ光学アプローチを使用して、自動運転車、ドローン、ロボット工学、工場自動化などのイノベーションに欠かせない、さまざまなアプリケーション向けにさまざまなイメージング・センサーを提供しています。Voyantは、これまで 2,000万ドルを超える資金を調達しています。
以前イーロン・マスク氏が、高価でデザイン制約の多いLiDARを採用しないと発言しましたが、最近はこの種の発言は聞きません? AIの性能だけで自動運転車の安全は確保できません。基本的にカメラが検出できない信号にAIは対処できません。高性能なセンサー群で人間(五感)と同等以上のセンシングが不可欠です。カメラとミリ波レーダー、そして「LiDAR」は、お互いの欠点を補い冗長性を保ちながら、霧や大雨、雪や雹などの悪天候や道路状況、アクシデントに迅速に対処する必要があります。
- 【LiDAR解説動画1〜4】(再生リスト/株式会社 光響 / Kokyo, Inc.)
分かりやすいLiDAR解説動画です。