12月10日、米タイム誌は世界に最も影響を与えた「今年の人」に、米国のジョー・バイデン次期大統領と、カマラ・ハリス次期副大統領を選んだと発表しました。選出の理由については、「共感の力が分断の激しさよりも偉大であることを示し、悲しみに暮れる世界に癒やしの展望を分かちあった。」としています。
2020年は世界中で複数の危機が発生しました。100年に一度の疫病や残忍な人種的不公正と不平等。終末のような山火事。そして危機に晒されている民主主義です。混迷した世界でバイデン氏とハリス氏のパートナーシップが立ち向かいます。
第32代米大統領フランクリン・ルーズベルト(1933年-1945年)以来、大統領は選出された年あるいは在職中に必ず、TIME「今年の人」に選出されています。しかし、副大統領が選出されたのは初めてです。
歴史上で最も重要な選挙の1つとなった年にハリスのパートナーシップは強力なメッセージを発しています。「あなたの人種、民族、祖母が話す言語に関係なく、私たちの大多数が私たちを隔てるよりも、より多くの共通点を持っていることを知って前進しましょう。」と呼びかけます。
「今年の人」の最終候補には、米トランプ大統領や、新型コロナウイルスの脅威に最前線で立ち向かい、患者の治療にあたる医療従事者とトランプ政権でコロナ対策に携わるアンソニー・ファウチ博士、それに、黒人のジョージ・フロイドさんが、白人の警察官に首を押さえつけられて死亡した事件を受けて、世界各地に広がった人種間の平等を求める運動(Black Lives Matter)が挙がっていました。
2019年の「今年の人」には、環境活動家グレタ・トゥーンベリさん(16歳)を最年少で選出しました。2020年は最年長の一人であるバイデン氏(78歳)と、次世代の指導者ハリス氏(56歳)が引継ぎます。