米タイム誌が発表した次回号(5月22-29日号)では、表紙に岸田首相が掲載され、出版される雑誌には「岸田首相は何十年も続く平和主義を放棄し、自国を真の軍事大国にしたいと望んでいる」と記されています。
<追記:5/12 電子版のタイトルを変更しています。>
電子版のタイトルは「岸田首相は平和主義だった日本に、国際舞台でより積極的な役割を与えようとしている」になっています。岸田首相が安全保障政策を大きく転換したことに着目し、東アジアの外交関係の変革に着手するとともに、防衛費を大幅に増額したと指摘しています。
- Exclusive: Prime Minister Fumio Kishida Is Giving a Once Pacifist Japan a More Assertive Role on the Global Stage(5/9 TIME)
- 岸田首相、米誌「タイム」次回号の表紙に“日本を真の軍事大国にすることを望んでいる”(5/11 日テレNews)
記事では日本がロシア、中国、北朝鮮による軍事侵略の脅威に直面、また中国の影響力拡大をけん制する米国にも後押しされて、岸田首相は日本を経済大国の地位に見合う軍事力を持つ国際的な大国に戻そうとしていると論評しています。一方で岸田首相がインタビューで「世界的な非核化の取り組みに関与し、政府は核武装については議論しない」と話したことも紹介しています。
さらに岸田首相は、自分の唯一の目標は広島のような悲劇が再び起こるのを防ぐことだと述べ、「今日のウクライナは明日の東アジアになる可能性がある」とも語っています。米タイム誌は、「2023年に世界で最も影響力がある100人」でリーダー部門の1人に岸田首相を選出しています。
- The 100 Most Influential People of 2023(4/13 TIME)
岸田首相のウクライナ訪問(3月21-22日)、中国の習近平国家主席がロシアを公式に訪れている中で行われました。エマニュエル駐日米大使はツイッターで、日中首脳の動きを取り上げ、「岸田首相は自由を支持し、習氏は戦争犯罪人を支持している。どちらの首脳がより明るい未来のためのパートナーだろうか」と投稿しています。
アルテ (テレビ局)(Arte、仏: Association Relative à la Télévision Européenne)は、フランス語およびドイツ語で放送される、独仏共同出資のテレビ局です。このアルテ制作の興味深いドキュメンタリー「戦争の準備」が5月6日にYouTubeで公開されています。
日本の最西端に位置する与那国島は、台湾の北東に位置し国境の島と呼ばれています。この与那国島は安全保障上重要な位置にあるため、2016年に陸上自衛隊の与那国駐屯地が開設されて沿岸監視隊が配備されました。この配備により、自衛隊員とその家族250人が移り住み、人口の15%近くを占めるようになっています。このドキュメンタリー「戦争の準備」は、中国や北朝鮮の軍事的脅威を警戒する日本からのリポートです。
ARTE Reportage / Japan: Preparing for War
Japan has just made an historic shift: In December, Tokyo announced a doubling of its defence budget by 2027, the first time this has happened since World War II. The Japanese are wary of China and North Korea.