8月1日、バイデン米大統領は、米国が週末にアフガニスタンで無人機による空爆を実行し、国際武装組織アルカイダの最高指導者、アイマン・ザワーヒリー(Ayman al-Zawahiri)容疑者を殺害したと発表しました。ザワヒリ容疑者が首都カブールにいたということは、昨年アフガニスタンの権力を掌握したタリバンが、タリバンが同容疑者を保護していたのではないかとの新たな疑問を生じさせています。
- タリバン政権関連情報(Google検索) 8/5 追加
- 米CIA、アルカイダ指導者殺害に至る作戦詳細(8/2 ロイター)
- U.S. Drone Strike in Kabul Kills Top Qaeda Leader, Ayman al-Zawahri(8/2 The New York Times)
米政府はザワヒリ容疑者を支援するネットワークがあると数年前から推測し、米軍のアフガン撤退以降の過去1年間、同国にアルカイダが潜伏する手がかりを探してきました。今年、ザワヒリ容疑者の家族がカブールの隠れ家に移ったことを確認し、その後同じ場所にザワヒリ容疑者がいることを突き止めています。
ザワヒリ容疑者はカブールの隠れ家に継続して潜伏していたとみられ、数回にわたりバルコニーにいるのが確認されています。殺害された場所もバルコニーです。
7月25日、バイデン大統領は主要閣僚や顧問との会合で最終ブリーフィングを受け、ザワヒリ容疑者の殺害が米国とタリバンの関係に与える影響などを議論。バイデン氏は参加者の意見を求めた後、民間人が犠牲になるリスクを最小限に抑えるという条件で「精密に調整された空爆」を許可しました。
作戦が実施されたのは米東部時間7月30日午後9時48分で、無人機(ドローン)から空対地ミサイル「ヘルファイア」を発射。要人殺害を目的としたミサイル(AGM-114R9X)が使われた模様です。ニンジャ爆弾のニックネームで呼ばれます。
民間人の巻き添え被害を発生させないように設計されたもので、爆薬の代わりに6つの刃が内蔵された弾頭を搭載しているミサイルで、発射されると刃が展開、要人に突っ込み押し潰したり切り刻んだりすることで殺害します。
ザワヒリ容疑者は、2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件の計画調整に関与。アルカイダを結成したウサーマ・ビン・ラディン容疑者が2011年に殺害された後、指導者を引き継いでいます。拘束につながる情報提供者には2,500万ドル(約33億円)の懸賞金がかけられていました。