米海軍は昨年12月31日、紅海でコンテナ船に乗り込もうとしたイエメンの親イラン武装組織フーシ派の「複数の小型ボート」を破壊したと発表しました。紅海では、フーシ派による船舶への攻撃が相次いでいます。このフーシ派のボート3隻を攻撃したのを受け、イランは紅海に駆逐艦を派遣しました。世界貿易に不可欠な航路の安全確保という米政府の目標を複雑にし、緊張が高まる恐れがあります。
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イラン国営メディアは、駆逐艦アルボルズ(Iranian frigate Alborz)が1月1日に紅海とアデン湾をつなぐバブ・エル・マンデブ海峡を通過したと伝えました。任務に関する情報には言及していません。
米海軍の行動を受けてイランが紅海に駆逐艦を派遣したことで、世界貿易の約15%を扱う紅海ルートは非常に不安定化します。この動きは、イエメンの首都サヌアや紅海のホデイダ港を含む同国北西部の一帯を支配するフーシ派による船舶への攻撃を阻止するために、昨年12月に設置された米主導の多国籍部隊に対する挑戦と見られます。
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フーシ派の代表団は、デンマークの海運大手A.P.モラー・マースク所有のコンテナ船を攻撃した際に乗組員数人が米海軍に殺害されたのを受け、テヘランで当局者と会談しています。マースクは状況を把握するため、紅海での全ての輸送を48時間停止しました。
フーシ派による12月31日の攻撃は、ボート4隻が複数の武器でコンテナ船を攻撃し20m以内にまで接近。メンバーがコンテナ船に乗り込もうとしました。コンテナ船の乗組員は、救難信号を発して警備チームが応戦したと、米中央軍は説明しています。
近くを航行していた米海軍の航空母艦「アイゼンハワー」とミサイル駆逐艦「グレーヴリー」のヘリコプターが救難信号に対応しました。小型ボートに口頭で呼びかけている最中に、フーシ派支配地域から対艦ミサイル2発が、「アイゼンハワー」と「グレーヴリー」に向けて発射され、この対艦ミサイルをグレーヴリーが破壊しました。
ヘリコプターは自衛のために応戦し、小型ボート4隻のうち3隻を沈没させ、その乗組員を殺害したと米中央軍は述べています。残り1隻は同海域から逃走しました。米軍の人員や装備への被害はなかったということです。フーシ派のサリー報道官は、フーシ派メンバー10人が死亡したか行方不明となっていると説明しました。