米国家安全保障局(NSA)の監視活動の中心となる、新設の大容量データ保存センター(Utah Data Center)で慢性的な電圧異常が生じ、数十万ドルの機材が破壊され、同センターの開所が1年遅れる事態となっていることが明らかになりました。
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プロジェクトのある関係者は、いわゆるアーク故障に当たるこの電気トラブルについて「60センチ程度の箱の中で稲妻が発生した」と表現しています。
この結果、激しい爆発が発生し、金属が溶けて電気回路が故障したと説明しているそうです。
詳細は、下記 WSJ リポートをお読みください。
- 米NSAの大容量データセンターで電圧異常─開所が1年遅れ(WSJ 日本版)
落雷などにより意図せずに発生するアーク放電は、送電路,電子装置などに有害な影響を及ぼします。
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また、スイッチ、回路遮断機、リレー接続、ヒューズ、不完全なケーブルの断絶などが意図しないアーク放電の発生を引き起こすこともあります。
原因は引き続き調査中で、提案された修理で直るのかどうか意見が分かれているようです。
ある関係者によると、NSA は週内にセンターのいくつかのコンピューターを稼働させる計画です。
NSAの広報担当者は「故障はテスト中に発生したもので、低減されている」と話しています。
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NSA がデータセンターの設置地点として、ユタ州のブラフデールを選んだのは、もっぱら安価な電力を大量に入手できるからです。
プロジェクトの文書や関係者によれば、同センターは恒常的に65メガワットの電力を消費します。
これは、少なくとも2万人の住民が暮らす小都市を賄える規模で、月間コストは 100万ドル超になるということです。
- Welcome to the Domestic Surveillance Directorate(This is a parody of nsa.gov)
- Here’s The $2 Billion Facility Where The NSA Stores And Analyzes Your Communications(Business Insider)
- 米国家安全保障局(NSA)のUtah Data Center(Nobuyuki Kokai)