魚とりから農耕社会、産業社会、大量生産と大量消費の情報社会へ移行し、そして現在のIoTと第4次産業革命、仮想現実の時代になります。この人類の歴史を3分あまりの3DCGで描いたショート・ムービー「PILE:パイル」が面白いです。海面から上方向へ歴史が積み重ねられているように垂直スクロールした映像で描いているのが新鮮です。制作はロンドンとハンブルクを拠点とする3Dビジュアル・アーティスト兼アニメータのトビー・オーバーグ(Toby Auberg)さんです。
- toberg.tv(Website)
- Toby Auberg (@toberg.tv)(Instagram)
オーバーグさんは、人間がますます現実から切り離され、経済・労働・欲求・消費活動などが抽象化され、最後はは完全に抽象化されて行く世界を「凝縮した映像」にしたいとして「パイル」を制作しました。
オーバーグさんが「この作品がカット編集でも同じように機能したかどうかはわかりません」と述べています。ワンカットの垂直スクロール映像作品としたことで、すべてが垂直方向に配置され連携されて、いま現実で私たちに起きている事象の理解と感覚を強化していると語っています。
- Staff Pick Premiere: “Pile” by Toberg(6/23 Jeffrey Bowers/Vimeo)
「パイル」は、カンヌ国際映画祭のシネフォンダシオン(Cinéfondation)セクションで初演、アヌシー国際アニメーション映画祭で審査員賞を受賞し、BFIロンドン、アニマブリュッセル、広島を含む他の多くのプレミア映画祭で上映されています。
現代は仮想現実の入り口にいますが、その先は作品で描かれていません。肉体、現実、実体がなくなって行く先には何があるのでしょうか? あなたはどのように想像しますか? 面白いですね(^^)