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退屈な建築の台頭と、いかにも人間的な事例(TED: Thomas Heatherwick)

  • TED

かつての建物の凹凸はどこに消えたのか?街の建物は一体いつからこうも・・・凡庸になってしまったのか? 都市にはなぜ想像を掻き立てる建物が必要かについて話すデザイナーのトーマス・ヘザーウィック(Thomas Heatherwick)氏が、都市の単調さという沈滞状態を抜け出す道筋と、人々が何世紀にも渡って大切にするであろう、感情のこもった建物で満たされた都市の構想を提案します。

The Case for Radically Human Buildings | Thomas Heatherwick | TED

新しい建物の立ち並ぶ街路を最後に歩いたのはいつでしょうか? 今回私が話したいのは、街や都市で私達みんなが常々感じている問題、私達の周りがどんどん個性のない建物で埋まっていっていることについてです。

皆さんをどこかの都市に連れて行って、聞くとします「皆さんは、どちらに行きたいですか? 古い区画ですか? それとも新しい区画?」すでに答えは出ているようですね。直感的にもおわかりでしょうが多くの人々は古い方を選ぶでしょう。なぜかというと、私達はみんな新しい方は個性がなく退屈だと知っているからです。

では古い建物にあった凸凹はどこに行ったのでしょう? その影、風合い、立体としての魅力、そこに光が与える抑揚。なぜそれが今や、のっぺりした平面になってシンプルで特徴のないものになってしまったのか。

The Hudson Yards development in New York City in March 2019 / Wikipedia

単刀直入に言いますが、人々に愛されないー(あえて愛といいますよ)―愛されない建物は、取り壊される可能性が高いのです。この両者のつながりは、まだ見出されていないようです。しかし建物を作ろうとするとき ― それは一番お金のかかることの一つであり、当然のことですが、費用、時間、政治、自尊心、規制、現状維持といった大きな圧力にさらされます。そのような感情とは無縁の圧力は計り知れません。変化は誰にとっても恐怖です。私自身もそれは同じです。しかし私は感情が忘れられた重要な機能だと確信しています。

私のゴールは、地球規模で人間性を回復する動きを引き起こす手助けをして、魂のこもっていない非人間的な場所をもうこれ以上許さないことです。建物は私達にその一部となって。調整したり、修繕したいと思わせるようなものとなるべきでは? 私たちはのべつ幕なしに建物を取り壊し続けることはできません。寿命40年の建物を建てるのはやめましょう。寿命千年の建物を作ろうじゃないですか。ぜひ、一緒にやりましょう。

ありがとうございました(拍手と歓声)

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