6月8日、ロシアのイルクート(Irkut Corporation)は、政府首脳を招いてこれまで開発を進めてきた小型旅客機「MC-21」の初号機の完成披露式を開催しました。MC-21は、エアバスA320neoやボーイング737MAXと競合する小型旅客機で、旅客機の中でももっとも競争が厳しいレンジの機体になります。
MS-21はソ連時代からの「純国産」を放棄して多くの国際企業の協力を得ており、エンジンのプラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)やアビオニクス(Avionics)を含む、機体の海外企業の部品のシェアは30-40%に達しています。
MC-21は、複合素材の使用、グラスコックピット+ヘッドマウントディスプレイの採用、フライバイワイヤー方式の採用など、最新の機体にも関わらず、競合機のエアバスA320やボーイング737に比べて30%近くも安いのが最大の特徴となっており、イルクートはロシア国内の航空会社だけでなく、新興市場の航空会社にも積極的な売り込みを図っていくことを計画しています。
開発がスタートしたのは2008年ですが、2014年に生じたロシアのクリミア併合に伴う西側諸国による対露経済制裁の実施で、開発には大幅な遅延が生じていました。
ロシアは戦闘機の分野で高い評価を得てきただけに、航空機業界では、MC-21についても台風の目となる可能性もはらんでいるとしています。
ロールアウトには、ピアニストのデニス・マツーエフさんが出演。完成披露の演出にもロシアらしさがあって興味深いです(^^) <削除されています。>
- IRKUT CORPORATION(Website / English )
- 露イルクート、小型旅客機「MC-21」の初号機が完成・完成披露式を開催(Business Newsline)