2月4日、Googleは聴覚障害者向けの新しいAndroid用アプリ Live Transcribeのベータ版と、Sound Amplifierを発表しました。Live Transcribe(音声文字変換)は、ほぼリアルタイムで周囲の音声を自動的に画面に文字として書き起こすアプリです。また、Sound Amplifierは補聴器のように、ノイズを除去して人の声を聞き取りやすくするアプリです。
- Making audio more accessible with two new apps(blog.google)
リアルタイムの音声文字変換アプリ Live Transcribe(ベータ版)は、Android 5.0(Lollipop)以降を搭載したスマートフォンで動作し、日本語を含む70種類以上の言語をサポートしています。また、誰かが自分に話しかけたことを知らせるためのバイブ機能や、相手にテキストで応答するためのキーボードボタンもあります。
「Cloud Speech API」を採用しているため、インターネットへの接続が必須ですが、入力データがGoogleのサーバにアップロードされることはなく、端末内で完結します。Android端末の[設定] > [ユーザー補助] > [音声文字変換]から起動します。
- Live Transcribe:音声文字変換(Google Play) 未公開版
Sound Amplifier(音声増幅)は、ヘッドフォンを使って Androidデバイスのマイクの音声を増幅させて聞き取りやすくするアプリです。また、シンプルなチューニング用 UIで音声やマイクの設定を調整し、自身に耳障りなノイズなども軽減して、聞き取りやすさをカスタマイズできます。この音声増幅は Android 9 Pie以降に対応します。使用するには[設定] > [ユーザー補助] > [音声増幅]で設定します
2つのアプリとも今後発売される Pixel 3にはプリインストールされます。Appleの iPhoneで2つのツールを使えるようにする計画は、今のところないようです。
- Sound Amplifier:音声増幅(Google Play)
Googleは、この2つの新しいアプリを開発するためにワシントンDCにあるギャローデット大学と提携しました。同校は聴覚障害者のための私立大学です。この大学の教員であった言語学者ウィリアム・ストーキーが1960年に発表した論文「手話の構造」は、手話が自然言語であることを初めて指摘したものとして知られています。