米国で外出禁止令が徐々に解除されていく中で、業務を再開しようとする企業は、従業員の健康状態をモニターするためのハイテク機器を導入しようとしています。顔認識システムのスタートアップであるコグニッツ(Kogniz)の共同設立者ダニエル・パターマン(Daniel Putterman)氏によると、同社ではサーモグラフィーによる発熱者検出機能を加えたAI搭載の監視カメラ・ヘルスカム(HealthCam)を開発、その販売が好調のようです。さらに顔認識との組合せで個人の動きを記録できるようになります。
- kogniz.com(Website)
- 「体温は個人情報ではない」…顔認識に体温検知をプラスした従業員監視ツールの販売好調(5/10 Business Insider Japan)
現在、世界的にサーモグラフィーカメラの需要は高まっています。企業の中には多数の従業員をすばやくスキャンし、発熱している従業員をその場で見つけ出せるようにしているところもあります。
コグニッツが開発したヘルスカムでは、体温測定とAIによって人と人との距離の検出することも可能で、適切な社会的距離の保持に役立てることができます。また、顔認識と組合せて個人の動きを記録できるため、従業員が病気になった場合に、誰と接触したのかをさかのぼって確認できます。
ヘルスカムの価格は一番安いものが7000ドル(約74万円)で、これまでに小売店チェーン、製造業者、ハイテク企業などに100台以上が売れたということです。
電子フロンティア財団の研究者は「体温測定の能力が疑わしい監視カメラを、新たなネットワークとして導入すべきではない」と述べています。また、このようなテクノロジーは、公共の場で用いられる可能性があり、それを厳しく批判するプライバシー擁護派もいます。
コグニッツのパターマン氏は「公衆衛生はプライバシーの保護よりも重要」と反論し、「私は、体温が個人情報だとは思わない」と述べています。