9月21日、スイスの国際経営開発研究所(IMD)は、主要64カ国・地域を対象にした2023年版のIMD世界人材ランキング(World Talent Ranking 2023)を発表しています。日本は昨年より2つ順位が下がって43位と、2005年の調査開始以来最低となっています。「語学力」や「上級管理職の国際経験」「外国人材に日本を魅力的に感じてもらえているか」などに対する評価が低く、順位を押し下げています。さらに GDP比でみた教育投資の少なさなども大きな要因になっています。
- World Talent Ranking 2023(IMD)
- IMD世界人材ランキング 日本は過去最低43位に(9/21 日本経済新聞)
2023年の世界人材ランキングでは、スイスが10年連続で主要64カ国・地域の中でトップとなっています。アルプスの国の生活の質、法定最低賃金、初等中等教育制度は比類のないものと評価しています。2位はルクセンブルク、3位はアイスランドでした。アジアではシンガポールの8位が最高順位、米国は15位、香港16位、中国41位でした。
この調査では、経営幹部はリモートワークがキャリア開発の妨げになっていると認識していますが、それは人材の維持とは相容れないことが判明しています。
このランキングは、自国人材に対する投資育成の手厚さ、内外の人材をひき付けられる国としての魅力、自国人材の能力の高さの3点を評価して順位付けしています。評価は教育の公的支出や物価などの統計値と、世界の企業幹部およそ4,000人へのアンケート調査をもとにしています。
日本は2009年に23位まで順位を上げましたが、ここ数年は評価が低迷しています。IMDの高津尚志北東アジア代表は、「デジタル化や事業の持続可能性の重視など、経営環境は大きく変わっている」と指摘し、「管理職教育に本腰を入れるべきだ」としています。
ランキング調査では、日本企業は人材確保の意欲が強い一方、外国人の高度技能人材からみた日本のビジネス環境は魅力に乏しいことが明白になっています。
- Talent Japan 2023(Country Profile / IMD)