9月18日、旧日本軍の細菌戦部隊の一つで、旧満州(中国東北部)で捕虜らに人体実験をしたことで知られる731部隊(関東軍防疫給水部)を題材にした中国映画「731」が中国全土で公開されました。猫眼によると、初日の興行収入は3億4,500万元(約71億円)を超え、今年中国で公開された戦争映画として記録を更新しました。この映画はカナダ、オーストラリア、米国、シンガポール、韓国など多くの国で公開されます。日本での公開はありません。
- 731部隊(Google検索)
- Search “731”(IMDb) 映画とテレビ番組 合計5本製作
- 映画「731」が中国で公開、興行収入は初日に41億円超 予告の過激シーンが話題…見た人からは不満の声(9/19 西日本新聞/Yahoo!)

映画は黒竜江省ハルビンを舞台に、細菌兵器を開発するため中国人やロシア人捕虜に人体実験を繰り返す731部隊を捕虜の視点で描きます。生きたまま手の皮を剥ぐなど残酷な場面が多く、涙を流す人もいました。観賞した30代男性は「映画を見て戦争の記憶を思い出し、日本への感情が一時的に悪化するのは避けられないのではないか」と話しています。
今年は「抗日戦争勝利80年」で関連する映画やドラマが放映され、イベントも数多く開催されます。公開前日の9月17日までに、映画情報サイトで「見たい」とした人が450万人を超えた同作。予告編の過激なシーンが話題を呼び、戦後80年の節目で歴史への関心が高まっていることが背景にあるとみられます。

映画「731」より早く、7月に中国で公開された映画「南京写真館(Dead To Rights)」は、日中戦争中の「南京大虐殺」を題材にしており、歴史映画の興行収入記録を更新しています。9月4日には中国政府が北京で「抗日戦争勝利80年」を記念した軍事パレードを実施するなど、愛国心を高揚させるイベントが相次いでいます。
中国外務省の林剣副報道局長は9月18日の記者会見で抗日映画について問われ、「歴史に学び、平和を守ることを私たちに思い出させてくれる。中国は日本を含むあらゆる外国人を歓迎し、中国での安全を守る」と強調しています。
- 「少年隊員」が見た悪夢 731部隊の証言後、日本のSNSは荒れた(8/11 朝日新聞)

戦争や紛争が起きる度に、子ども達が戦争に加担させられるケースがあります。先の大戦で日本の少年兵たちが細菌兵器の開発に関わっていた事実はあまり知られていません。(4/21, 2024 TBS NEWS DIG)