11月20日、イギリスの国立コンピューティング博物館(The National Museum of Computing)は、1951年(昭和26年)に製造された重さ2.5トンの巨大コンピュータ(Harwell Dekatron)を再起動させました。
これにより Harwell Dekatron は、稼働する世界最古のデジタル式コンピュータになりました。
このマシンは、原子力研究施設で数値計算のため6年間、また初期の原子力発電所の設計のためにも使われました。
複雑な方程式も、機械式の計算機を使う数学者2人に相当するスピードで、見事に解くことができたそうです。
Harwell Dekatron は、現代のコンピュータなら LSI やメモリチップがあるところに、ガスが充填された828個のデカトロン計数管を使っています。
計数放電管(stepping tube, counting tube)は、冷陰極放電管の一種であり、パルス波を計数するための表示管です。特に、パルスが十個入ると全電極との放電が一回終わるものを特に「デカトロン」と呼びます。
RUUさんが、ロシア製のA101というダブルパルスタイプの管を使った電子工作をしています。デカトロンが分かりやすいのでご覧ください。。
- 計数放電管(デカトロン)の工作(1/17, 2009 RUUさん)
計算の値は、陽極を中心に円形に配置された10個ある陰極のどれかに保存されます。
管は透明なので、メモリのなかを実際に見ることができ、計算速度の遅さから、このマシンは博物館で「コンピューター科学」を教えるよい道具になることが期待されています(^^)
20日のイベントには、Harwell Dekatron を最初に設計した技術者2人や、操作したことのある人々などが出席しました。マシンを温めるのに約30分が必要だったそうです(^^)
- Harwell Dekatron / WITCH(tnmoc.org)