米ワシントンD.C.にあるニュージアム(NEWSEUM)は、5月14日までに2012年にシリア内戦を取材中、銃撃を受け死亡した山本美香さんら、取材中に殺害された88人のジャーナリストの名前を追悼記念碑に付け加えました。
<追記:11/15, 2023>
ニュージアム(NEWSEUM)は、2019年末に閉館しています。このニュージアム運営は、フリーダム・フォーラム(Freedom Forum)という、「全ての人々の為の報道の自由、表現の自由、そして自由な精神」のために設立された無党派の基金が資金を提供していました。
- Memorial to Fallen Journalists Rededicated(5/13, VOA)
山本さんのほか、シリアで砲撃を受け死亡した「隻眼の米女性戦争特派員」として知られるメリー・コルビン(Marie Colvin)さんの名前も加えられ、合計2,246人になっています。
- Fallen Journalists Honored at Newseum(YouTube)88人の紹介動画-May 13, 2013
- 山本美香さんらを追悼碑に=米博物館(時事通信)
5月3日に、国際新聞編集者協会(IPI)は、報道の自由に貢献した記者に贈る「ワールド・プレス・フリーダム・ヒーロー賞」を、山本美香さん(45)とメリー・コルビンさん(56)に授与すると発表しています。
同賞は2000年に創設され、危険な状況下の取材により、報道の自由に多大な貢献をした記者らに贈られ、日本人の受賞者としては、元読売新聞編集主幹の原 四郎氏以来2人目です。
- IPI hands 2013 awards to two women journalists killed in Syria, independent Malaysian radio station(Website)
山本美香記念国際ジャーナリスト賞は、2012年8月20日、中東シリアのアレッポにて取材中、銃弾に斃れた山本美香(享年45)のジャーナリスト精神を引き継ぎ、果敢かつ誠実な国際報道につとめた個人に対して贈ろうとするものです。
- 山本美香記念国際ジャーナリスト賞(Website)
山本美香のジャーナリスト精神をひとことで言えば、不正義や不条理に対して何がどのように不正義で不条理であるのか、伝聞ではなく自分自身の目と耳でとらえ、世界中に発信しようとするタフな行動力のことであり、不正義や不条理がおこなわれているとすれば、それらの国々や地域において、生死のはざまをそれでも懸命に生きていこうとする人びとの姿を深い共感をもって世界中に伝えようとするヒューマニスティックな視座のことである。この両面を併せ持つ国際報道をおこなった個人の営為に対して、同賞を贈りたいと思います。(文・髙山文彦)