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デジタルコンテンツとソフトバンクの経営戦略

全米でベストセラーになった著書「リーン・イン(一歩前へ)」の作者で、Facebookの最高執行責任者(COO)のシェリル・サンドバーグ(Sheryl Sandberg)氏と、孫正義氏の印象的なツーショット(Facebook)です。

ソフトバンクの米国における経営(買収)戦略が注目されています。

Sheryl Sandberg and Masayoshi Son / Facebook
Sheryl Sandberg and Masayoshi Son / Facebook

米映画製作会社ドリームワークス・アニメーション(DWA)を買収する方向で協議を行っていると複数のメディアが報じています。
買収金額は34億ドル(約3,700億円)と見込まれています。

2013年10月にフィンランドのスマートフォン向けゲームメーカー、スーパーセル(Supercell)の株式過半数を約1,515億円で取得すると発表。
ソフトバンクが8割、ガンホーが2割出資する特別目的会社をフィンランドに設立して株式51%を取得しています。

DWAとの買収協議などについて、ソフトバンクは「噂であり憶測」としてコメントしていませんが、アニメーション映画制作やゲーム制作会社を取り込むことで、提供するサービスを充実させ競争力を高めるねらいがあります。ソフトバンクのプラットフォームとデジタルコンテンツ戦略で、新しい独自のメディア・コングロマリットとして成長できるか注目されます。

Nikesh Arora at London Web Summit 2012 / Web Summit
Nikesh Arora at London Web Summit 2012 / Web Summit

7月18日には、米国にソフトバンク・インターネット・アンド・メディア(SIMI)を設立し、最高経営責任者(CEO)として、元 Googleの最高事業責任者ニケシュ・アローラ(Nikesh Arora)氏を招へいすると発表しています。ハリウッド・リポーターによると、両社の買収協議を取り持ったのはアローラ氏だということです。

ソフトバンクの2014年3月期の連結決算では、売上、営業利益、最終利益のいずれも過去最高、NTTドコモを抜いて国内携帯電話会社で首位になっています。

今年、孫正義氏は米携帯電話サービス第4位のTモバイルUSの買収交渉に時間を費やしています。TモバイルUSを同業でソフトバンク傘下の米スプリントと合併させ、ベライゾンとAT&Tという米携帯電話業界の巨人に対抗できる強力な企業を作りたいという考えがありました。しかし、規制当局の反対に遭いTモバイル買収計画はとん挫しています。新たな戦略に向けてソフトバンクは、筆頭株主となっている阿里巴巴集団(アリババグループ)の新規株式公開(IPO)で手に入れた含み益(8兆円とも)を投資に回そうとしています。

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